2025年にマイホームをフィリピンに建設した私たち。わが家の新築マホガニードアが膨張して鍵が閉まらなくなり、ドアを丸ごと交換するハメになりました。しかも枠ごと替えたら壁まで崩壊するという……。その顛末はこちらの記事に書いています。
今回は「なぜこうなったのか」を、自分の体験をもとに書いておきます。
木製ドアのある家は初めてだった
これまでずっとコンドミニアム暮らしだったので、外部と接触するドアといえば鉄製かアルミ製が普通でした。マカティの古い建物に住んでいたときは木製ドアもありましたが、雨風が直接当たらない場所だったので、問題を感じたことがなかったんです。
一軒家に引っ越して初めて、「外に面した木製ドア」と向き合うことになりました。
フィリピンでは一軒家の玄関ドアは木製が当たり前という感覚が強く、アルミや鉄製にすると「冷たい」「侘しい」というイメージを持たれることが多いようです。ライアンも同じ感覚で、建設業者と一緒に木製を選びました(今となっては後悔しているようですが、本人は覚えていないことにしています)。
私自身は、特に雨風が直接当たる勝手口については漠然とした不安がありました。でも「とりあえずトライ&エラーで雨季を過ごしてみよう」ということでひとまず合意。
その判断が、どう転ぶかはすぐにわかりました。
雨季が来る前から、もう変だった
雨が降り始める前から、湿気だけでドアの動きがおかしくなってきました。
木材は水分を吸うと膨らむ性質があります。フィリピンの雨季(6〜11月ごろ)は湿度が90%を超える日も珍しくなく、雨が降らなくても空気中の湿気だけで木材がどんどん膨張していきます。逆に乾季(12〜5月ごろ)は乾燥してひび割れが起きやすい。この繰り返しがドアをじわじわ傷めていきます。
わが家の場合、開閉がだんだんきつくなり、ある日ついに鍵が噛み合わなくなりました。
そのとき、ライアンが言ったこと——
「ドアが閉まらないなら、窓から出入りしよう」
……いや、それは嫌です。
細かいことはあまり気にしない夫・ライアン。
この土地ならではのおおらかさを持つ、最強メンタルの持ち主です。そのひみつはこちら⬇️
膨張が特にひどくなる原因
気候だけが理由ではありません。以下の条件が重なると一気に悪化します。
Cure(乾燥処理)が不十分な木材
伐採後に十分乾燥させていない木材は、施工後に大きく動きます。フィリピンでは乾燥処理が甘い木材が流通していることも多く、これが最大の原因になりやすいです。わが家のマホガニードアもこれでした。
塗装・コーティングの劣化
塗装は木材を湿気から守るバリアです。剥がれたり最初から薄かったりすると、木材が直接湿気を吸ってしまいます。
雨が直接当たる場所
軒が短い・庇がない玄関や勝手口は、スコールのたびに雨水が直接ドアに当たります。劣化のスピードが全然違います。
木材の種類
マホガニーは美しい木材ですが、湿気の多い環境での耐久性はあまり高くありません。Tanguile(タンギレ) や Yakal(ヤカル) の方が湿気への耐性が高いとされています。今回の交換ではTanguileのKiln-dried(キルン乾燥)材を選びました。
やっておくべき対策
新しくドアを作る・買うとき
一番確実なのは、ドアを建設業者任せにしないことだと思っています。
家を建てるとき、ドアは建設業者がパッケージの一部として取り寄せることが多いです。でも業者は「どこで作られた木材か」「きちんとCureされているか」まで把握していないことがほとんど。ひび割れが起きても「割れたら埋めて使ってください」と言われたりします。
実際にわが家でもそうでした。
なので現実的な選択肢はこの2つだと思っています。
- アルミ製や金属製のドアにする。 見た目が「冷たい」と言われますが、そんなことは決して無いと思う!
湿気トラブルとは無縁です。特に雨が直接当たる勝手口は、これが一番楽。 - 木製にしたいなら、ドア専門店で別個に用意する。 今回お世話になったMTR Doorsのように、木材の質や乾燥処理をきちんと説明してくれる専門店で、保証のある材を選ぶ方が確実です。建設業者に「ドアも込みで」とお願いするより、手間はかかりますが安心感が全然違います。
既存ドアのメンテナンス
- 年に一度、乾季の終わりに塗装を確認。 剥がれや色あせが出たら雨季が来る前に塗り直す。
- ドアの上下の隙間を確認。 余裕がなくなってきたら早めに削ってもらうと、鍵が閉まらなくなる前に対処できます。
- ヒンジ(蝶番)の取り付け方も確認を。 フィリピンでは、ヒンジをドア枠に埋め込まず表面にそのままつけていることがあります。ドアの建て付けが悪くなってきたら、枠を少し削ってヒンジを埋め直すと改善することがあります。最初から太めのしっかりしたドア枠にしておくと、こういう調整がしやすいです。
応急処置
ドアが膨張して開閉がきつくなってきたとき、ライアンがとった行動——食用油を塗る。
油が手について「うわっ」となりましたが、結果としてはドアに馴染んで動きが良くなりました。ただ、次回やるならろうそくのロウの方がべたつかなくていいかもしれません。
乾季になると自然に収縮して戻ることもあるので、すぐに削るより様子を見るのも一つの手です。ただし鍵が全く閉まらないレベルになったら、もう交換を考えた方がいいですね。
わが家のその後
ドアを交換したことで、ライアンの意識も少し変わりました。
勝手口にキャノピー(屋根と簡単な壁)をつけようという話が出ています。
雨が直接当たらないようにすれば、木製ドアでも格段に長持ちするはず。実際に設置してみました→勝手口にキャノピーを作ってもらった話【前編】
「窓から出入りしよう」と言っていた人が、ここまで考えるようになりました。成長。
ドアを守るキャノピー、CCTVの設置、そしてSRC構造の家。少しずつ進めてきた「シェルター計画」の集大成として、ソーラーパネルの導入も決めました。その経緯と業者との正直なやりとりはこちら⬇️
電気代2,700ペソでも導入を決めたソーラーパネル|フィリピン田舎暮らしの停電対策
まとめ
フィリピンで木製ドアが膨張する主な原因は Cure不足の木材+高湿度+塗装の劣化 の組み合わせです。家を建てるとき・ドアを替えるときに「Kiln-driedですか?」の一言を確認するだけで、かなりトラブルを防げます。
ドア交換の顛末(壁が崩壊した話)はこちらで読めます。

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