フィリピン人と結婚するということは、多かれ少なかれ、仕送り文化と向き合うことでもあります。
うちの場合はたまたまその必要がないけれど、それはかなり珍しいケース。パートナーの家族構成や経済状況によっては、毎月の送金が「家計の一部」になることも珍しくありません。国際結婚を考えているなら、事前に知っておいて損はない話です。
そしてその送金を支えているのが、いまやGCashをはじめとするデジタルウォレット。日本人妻として実際に使ってみてわかったことを、正直にお伝えします。
フィリピンの仕送り文化とは
フィリピン社会では、「家族=チーム」という意識がとても強くあります。きょうだいの中で一番稼いでいる人が家族全員を養うのが当たり前で、親だけでなく、きょうだいや甥・姪まで面倒を見ることも珍しくありません。
仕送りをしないと「薄情な人」と見られることもあり、逆に送り続ける人は家族の「ヒーロー」として尊敬される。そういう文化です。
ただ、行き過ぎると深刻な問題にもなります。誰か一人が稼ぎ頭になると家族全員がその人に依存してしまい、「なぜ今月は少ないんだ」と圧力をかけてくるケースも珍しくありません。OFWをまるで「歩くATM」のように扱う家族の問題は、フィリピン国内でも若い世代を中心に「毒な文化」として批判的に語られるようになっています。送金の大半が家庭の日常消費に消え、OFW本人は海外での高い生活費に苦しみながら仕送りを続ける…というケースも珍しくないのが現実です。
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私と夫のライアンはオンライン英会話で出会い、フィリピン人と結婚すると仕送りなどの金銭感覚のトラブルは必ずあると聞いていたし、仲が深まるにつれてお互いの生活観や価値観についてかなり話し合いました。外国人だからとお金を吸い取られる構図は絶対に嫌で、そこははっきりさせてから交際を進展させました。従兄弟まで含めた大家族をサポートするなんて、私には無理。そう思っていたし、それを正直に伝えました。ライアンもそれを理解してくれた。だから今がある、という感じです。
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ライアンの家族は4人兄弟で、それぞれが仕事を持って自立しています。フィリピン人家庭にも、色々あります。国際結婚を考えているなら、付き合いが深まる前にお金の話をちゃんとしておくことを、私は強くおすすめします。
これは国内にとどまらず、海外でも同じです。フィリピン統計局(PSA)によると、2024年のOFW(Overseas Filipino Workers)は約219万人にのぼり、フィリピン中央銀行(BSP)のデータでは同年の海外送金額はGDPの約8.3%にあたる383億ドルと過去最高を記録しています。
海外に住むフィリピン人に聞いてみた:実際のところ仕送りはどうしてる?
旦那の友人に、ウズベキスタンで教師をしているフィリピン人がいます。彼女は現地の地下鉄に乗るときもGCashで支払いをしているといいます。
実際に話を聞いてみたところ、こんなことを教えてくれました。
仕送りについて
フィリピンの家族への送金はどのくらいの頻度・金額でしていますか?
月2回、15,000ペソぐらいかな。
送金することへのプレッシャーや、家族からの期待を感じることはありますか?
ないよ
(注:彼女の実家は余裕のある家庭です)
昔と今で、送金の方法は変わりましたか?
まあ、私の場合はGcashが普及してから海外赴任になったんだけど。まず自分のGcashアカウントにお金を送るでしょ。そのあとに家族のアカウントに送金すればいいから楽になったよ。
GCashについて
ウズベキスタンでGCashをどんな場面で使っていますか?
まず、フィリピンにいる実家への送金でしょ。あとウズベキスタンでの生活費は全部Gcashで賄ってる。現金も引き出すし、食料品・生活雑貨・日用品を買うときにも使ってるよ。
フィリピンを出る前に、海外でもGCashが使えると知っていましたか?
知ってたよ。公共の乗り物にもピッとできて便利だよー。
支払いと送金以外で、GCashのどんな機能を使っていますか?
現金の引き出し。VISAカードをサポートしてるATMでならいけるからね。
GCashで不便に感じることはありますか?
前は私インドネシアで働いてたんだけど、インドネシアルピアをGcashカードで現金引き出しても手数料引かれなかったんだよ。
でもウズベキスタンでは手数料かかっちゃうからそこが不便かな。まあ大した額じゃないけどね。
ウズベキスタンのフィリピン人コミュニティー内でもGcashを使いこなしてますか?
もちろん!現地のフィリピン人コミュニティ内でもGCashが活躍しているよ。ウズベキスタンスムをフィリピンペソに両替したいときも、GCashを通じてやり取りしてるよ。
フィリピン人同士の「非公式両替所」としても機能しているとは、GCashの使われ方の広がりを感じますね。
「フィリピンのアプリ」が中央アジアの地下鉄で使える時代になっているというのは、OFWたちの送金需要がいかに大きいか、そしてそれを支えるインフラがいかに急速に育っているかを示している気がします。
GCashが仕送り文化を変えた
かつて海外からの送金といえば、Western UnionやLBCなどの実店舗を使うのが主流でした。手数料も高く、手続きも煩雑。それでも選択肢がないから使うしかなかった。
それがGCashの登場で大きく変わりました。スマホひとつで、個人間送金が数秒で完了します。受け取る側も、わざわざ店舗に行く必要がなくなりました。
現在GCashは世界50か所以上でQRコード決済に対応しており、MastercardとAlipay+との提携によってNFCタッチ払いも世界1.5億店舗以上で使えるようになっています。
なお、フィリピンの送金インフラをめぐっては最近さらに動きが活発で、Western Unionが新しいアプリをリリースしたり、日本のJPYC社がフィリピンペソ建てのステーブルコインの発行を検討していたり、VISAがモバイルウォレットの普及を加速させていたりと、「送金の未来」は今まさに変わりつつある時期です。
日本人妻がGCashを使ってみてわかったこと
GCashは外国人でも使えますが、フィリピン人と同じレベルのアカウントを作るには制限があります。わたしの場合、外国人アカウントでは貯金機能などが使えないという制限があります。
ちなみに裏技として、フィリピンの運転免許証を持っていれば、フィリピン人と同レベルのアカウントが作れます。わたしはそれがないので、貯蓄系の機能は旦那名義のアカウントに任せています。
使い勝手については、正直に言うと不便な点もあります。
- 数字が打ちにくいUIのバグが時々ある
- 長期間未使用でいつの間にかアカウントがロックされることがある(理由もよくわからないまま)
- ログインできなくなることがある
- 問い合わせがとにかく難しい。AIの自動返答には辿り着けても、直接サポートに繋がるのがかなり大変
旦那がしばらくアカウントにお金を入れていなかったら、なぜかログインできなくなって、理由もはっきりしないまましばらく使えない状態が続いたことがありました。今は解消されていますが、そういう不安定さはあります。
でも、それ以外は概ね問題なく使えています。
GCash と Maya、どっちがいい?
利用者数・加盟店数という点では、GCashが圧倒的です。小さな商店から個人間のやり取りまで、GCashが使われている場面はMayaより明らかに多い。日常の支払いで困ることはまずありません。
一方で、わたし個人としてはMayaの方が好きです。
- Fundsの為替レートがMayaの方が良い
- Saveアカウントの利子もMayaの方が高い
- UIがシンプルで使いやすい
なので実際の使い分けは、
- 日常の支払い・送金 → GCash(使える場所が多いから)
- 貯める・増やす → Maya(レートと利子が良いから)
という感じになっています。
ただし、Mayaの仮想通貨機能については注意が必要です。2024年には仮想通貨の売却・送金ができない長期ダウンが発生し、Facebookなどで大きく騒がれました。仮想通貨目的でMayaを使う場合は、この点を頭に入れておいた方がいいかもしれません。
まとめ
フィリピン人との国際結婚を考えているなら、仕送り文化はいずれ向き合うことになるテーマです。「知らなかった」ではなく、事前に「そういう文化なんだ」と理解しておくだけで、パートナーとのお金の話がずっとしやすくなると思います。
GCashやMayaといったツールも、使い方を知っておけば怖くない。むしろ、フィリピンの生活をぐっと便利にしてくれる存在です。
移住後の「お金まわり」の不安が、少しでも解消されればうれしいです。

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