フィリピン人についてよく聞かれる「あるある」——バスケが好き、外でたむろする、おもてなし上手、SNSが大好き。
でも実際のところどうなのか。フィリピン人の夫ライアンに、直接聞いてみました。
Q. なぜフィリピン人はあんなにバスケが好きなんですか?
私: どこに行ってもバスケのリングがあるけど、なんでそんなに人気なの?
ライアン: アメリカの影響もあるけど、「貧者のスポーツ」って言われるくらい、リングさえあればどこでもできるのが大きいと思う。公式の高さじゃなくても、手作りのリングが路地の端にぽつんと立ってるだけで成立するから。
私: バレーボールじゃダメなの?
ライアン: バレーはネットが要るし、コートのラインも引かないとどこで得点したかわからない。その点バスケは圧倒的にシンプル。ちなみに最近はバレーボールが人気2位に上がってきてるけどね。
バスケはフィリピンのどこにでもある。サブディビジョン(分譲住宅地)にもコートがあるし、ない場所なら木の板に輪をくくりつけて電柱に縛り付けてある。それでも立派なバスケです。
Q. フィリピン人はなぜシーズーをよく飼っているんですか?
私: なぜかシーズーをよく見かけるけど、何か理由があるの?
ライアン: 正直なんでシーズーなのかはわからないけど(笑)、フィリピンの在来犬と見た目が全然違うじゃないですか。その「珍しさ」が魅力なんだと思う。フィリピン人って新しいもの、珍しいものが好きだから。
私: フィリピンと犬って、もともと縁が深いの?
ライアン: 実は深いんだよ。各地の民族が犬を狩猟や儀礼に使われてきた記録がある。北海道のアイヌ民族と熊の関係みたいに、犬との精神的なつながりがある文化が各地にあって。その感覚が現代まで続いていて、対象がたまたまシーズーになってる気がするね。
私:じゃあもっとアスピン(フィリピンのローカル犬)をもっと尊重されてもいい気がするけどね。
ライアン:それはフィリピン人は目新しいもの(novelty)が好きだから。ある程度珍しくて、かわいくて、手頃なのがシーズー犬なんだと思う。もうへの深い愛着が合わさった結果がシーズー、ということらしい。僕はシーズー犬好きじゃないけどね。
Q. タンバイって何ですか?なぜ家の中じゃなく外にいるんですか?
タンバイとは、外でたむろしたり、友人たちとビールなどを飲みながらチルすることです。
私: タンバイって「スタンバイ」の略らしいけど、どういうことでスタンバイしてるの?
ライアン: (笑)一番の理由は家の中が暑いから。外の木陰の方が気持ちいいじゃない。
注:フィリピンの一般的な住宅は断熱材のないコンクリート住宅。熱を溜め込んでしまいがちです。
私たちの家は断熱材のあるSRC住宅です!
私: でもアマデオは標高が高くてそこまで暑くないよ?それでも外にいるよね。
ライアン: 涼しさだけじゃなくて、外にいると友達や知り合いが通りかかるでしょ?声をかけて、「おーい。飲んでいけヨォ」ってなって、また輪が広がる。タンバイって、ある意味「社交の釣り」みたいなものなんだよ。これは熱帯の国なら似たような文化がどこにでもあると思う。
外を通りかかった人を自然と巻き込んでしまうインクルーシブさ——これがタンバイの本質かもしれません。ちなみにライアン自身は友達と外でビール片手にタンバイはしません。ポーチで犬たちと私と座って話すのが定番です。
Q. フィリピン人は年上への敬意が厚いと聞きますが、本当ですか?
私: フィリピン人って年上への接し方がすごく細かいよね。
ライアン: スペイン・先住民・中国と、いろんな文化が混ざり合ってできてるんだ。年齢による役割とか、年上への接し方が西洋よりずっと「intricate(細やかで複雑)」なんだよ。欧米も敬わないわけじゃないけど、うちらのはもっと入り組んでる。
私: 具体的にはどういうところで?
ライアン: 話し方、座る位置、食事の順番、誰が先に口をつけるか……そういった暗黙のルールが日常の中にたくさんあって、みんな自然に身についてる。これはホスピタリティとも深く結びついていて、「誰に対してどう振る舞うか」という感受性の高さにつながってるんだと思う。
Q. フィリピン人のおもてなしって、日本と何が違うんですか?
私: フィリピン人はホスピタリティが高いってよく言われるけど、日本のおもてなしとは何か違う気がする。
ライアン: 「相手が何を喜ぶか」を考えるというより、「自分たちが最高だと思うものを分かち合う」スタイルなんだよ。だからゲストが合わせるのが当然、という前提がある。たとえば最高のご馳走がレチョン(豚の丸焼き)だとして、相手がたまたまムスリムでポークを食べられなくても出す。悪意じゃなくて、「これが最高だから」という純粋な気持ちから。
私: 日本人は相手が何を喜ぶかを考えすぎてストレスになるよね(笑)。
ライアン: そう!フィリピン人は「ゲストが合わせるのが当然」という前提があるから。意図はいつだって善意で、ゴールはただ一つ——一緒に楽しむこと。
「相手目線」が日本式なら、「自分たちの好きを全力でシェアする」がフィリピン式。どちらが良い悪いではなく、根本のルールが違うのだと思います。
Q. フィリピン人はなぜSNSをあんなに使うんですか?
私: フィリピン人のSNS利用率って世界トップクラスだよね。
ライアン: 当然だと思う。フィリピン人って、もともと他の文化への好奇心がすごく強いから。戦後、アメリカ兵を見て「Hey Joe!チョコレートちょうだいよ!」って言ってた時代から、外国への憧れはずっと続いてる。今はインターネットでその好奇心が世界中に向かってる。
私: でも最初はすぐ仲良くなれるのに、その後が続かないこともあるよね。
ライアン: それはインターネットの影響による世界的な変化だと思う。「また連絡しようね」で終わって、結局連絡が来ない——ネット上の人間関係のあり方が、リアルにも影響してるんだよ。
私: あとフィリピン人のSNS、ポーズがすごく決まってるよね。
ライアン: フィリピン人は自己愛が強くて自分大好きな人が多いけれど、同時にそれを自分に強制してるようなところがある気がする。僕らフィリピン人は、同胞に一番差別的だからね。肌が黒い、鼻がデカくて潰れてるとか。どこかで自分たちはどの人種より下だと思っているからじゃないかな。
これはずっしりくる言葉でした。外国へのあこがれと、自分たちへの厳しさが、同じ人の中に共存している。
Q. ライアン自身は「典型的なフィリピン人」だと思いますか?
私: ライアンって自分が典型的なフィリピン人だと思う?
ライアン: どちらかというと「そうじゃない方」かな。自分の育ち方のせいで、フィリピン文化の中でピンとこない部分もある。でも、それがフィリピン人の多様さだと思う。典型的な人も、そうじゃない人も、みんなフィリピン人だから。
まとめ:「典型」を超えたところにある、本当のフィリピン
バスケ好き、タンバイ、おもてなし、SNS好き——どのステレオタイプにも、ちゃんとした文化的な背景があります。でもそれがすべてのフィリピン人に当てはまるかというと、ライアン自身が「そうじゃない方」だったりする。
フィリピン人を一言で言い表そうとするほど、「でも実際は……」が続いていく。
その多様さこそが、この国の面白さなのかもしれません。
ライアンの発言は会話をもとに再構成しています。
Kumikoの13年の体験談メインで読みたい方はこちら。
→ フィリピン人のステレオタイプ【日常・文化編】13年住んでわかったこと
フィリピン人男性の特徴については、こちらもあわせてどうぞ。
→ フィリピン人男性の特徴

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