ソーラーパネル業者、キャンセルしました——フィリピンで「これは普通?それとも危ない?」を見極めるために確認したこと

ソーラーパネル業者、キャンセルしました——フィリピンで「これは普通?それとも危ない?」を見極めるために確認したこと

4月を過ぎました。5月になりました。音沙汰がありません。

前の記事で「もし4月を過ぎてもなかったらキャンセルするつもり」と書いていましたが、その通りになりました。

ただ正直に言うと、この「キャンセル」という判断、フィリピンに住んでいると思っている以上に難しいんですよ。

日本のスタンダードで見たら、「契約翌日に契約外の前払いを要求してくる」「4月に設置予定と言って6週間連絡なし」——これ、即アウトですよね。でもフィリピンに13年住んでいると、感覚が少しずつ変わってくるんです。「まあ、こんなもんか」「フィリピンだし」という免疫ができてしまう。

その免疫が、「これは普通?それとも本当にまずい?」の境界線を見えにくくする。

今回は自分なりにいくつか確認してみたので、同じように業者を探している方の参考になればと思います。


目次

契約後に起きたこと(おさらい)

まず、前の記事を読んでいない方のために簡単におさらいを。

2026年3月31日、バレンズエラ市の中小ソーラー業者・G社とソーラーパネル設置の契約を結びました。金額は₱226,100。→ 生活費記事はこちらをどうぞ
支払いは設置完了後に100%、という条件です。

翌日、業者からメッセージが来ました。

「Presidentの指示で、材料確保のために30%の前払いをお願いしたい」

契約書にはそんな条件、一切書いていません。丁寧に断りました。返事は「Copy po(了解です)」。

その後、設置予定を聞いたら「4月第2週」との返答。具体的な日付を聞いたら「コンテナがまだ届いていないので未定」。

……「材料がなくなるから前払いを」と言っていたのに、材料がまだフィリピンにない。

そして4月第2週が過ぎ、5月になっても連絡はありませんでした。


「これ、フィリピンだから?それとも本当にまずい?」

フィリピンに長く住んでいると、サービスへの期待値が少しずつ下がっていきます。

連絡が遅い。約束の時間に来ない。「もうすぐ」が2時間後だったりする。これはもう、日常です。うちの義父は私たちの結婚式に遅刻しましたからね。

だから「4月第2週に設置予定と言ったのに連絡がない」と聞いても、フィリピン在住者なら「まあ、遅れてるんでしょ」と思うかもしれません。

でも今回、改めて冷静に見てみると、「フィリピンあるある」で片付けていいものと、そうでないものが混ざっていました。

フィリピンあるあるの範囲

  • 設置が少し遅れる
  • 連絡がのんびり

そうじゃない話

  • 契約書にない前払いを翌日に要求してくる
  • 「材料がなくなる」と言いながら材料がまだ届いていない
  • 6週間、プロアクティブな連絡が一切ない

「遅い」は許容範囲。でも「契約外の要求」と「説明の矛盾」は別の話です。


契約書を読み直してみた

キャンセルを考え始めてから、改めて契約書を読み直しました。最初に読んだ時には気づかなかったことが、いくつか見えてきました。

① 着工・完工期限が書かれていない

契約書のどこを見ても、「いつまでに設置する」という日付がありません。つまり業者が「まだ準備中です」と言い続けても、契約上は縛れない。これは完全に見落としていました。

契約書にサインする前に、着工日と完工期限を明記してもらうべきでした。

② 振込先に個人名義の口座があった

支払い先として、法人名義のMetrobank口座と、担当者個人名義のBDO口座の2つが記載されていました。

実はこれ、フィリピンでは珍しくありません。小〜中規模の会社やスタートアップでは、取締役や担当者の個人口座が振込先になっていることがよくあります。私たちが家を建てた建設会社も、土地を購入したデベロップメント会社も、振込先は個人名義でした。

ただし、その時はどちらも直接会って確認できていたんです。建設会社は取締役本人に会い、実際にオフィスにも行った。土地購入の時は、パラリーガルである義父に調べてもらい、オフィスまで出向いて確認しました。

個人口座への振り込みが問題なのは、そこまで確認できていない場合です。今回は業者のオフィスに行ったこともなく、担当者本人ときちんと対面したわけでもない。その状態で個人口座への振り込みを求められたら、慎重になった方がいいと思います。

万が一トラブルになった時に「会社として受け取っていない」と言われるリスクがある。保証を請求しようとしても「正式な会社取引ではない」と主張される余地が生まれます。どこまで相手を確認できているか、それが判断の基準になると思います。

フィリピンでの送金や支払い全般において、どの口座に・どうやってお金を動かすかは意外と重要です。私が使っているWiseについてはこちらで詳しく書いています。

③ 公証ページが未完成だった

契約書の最終ページ、公証人のサインが必要な欄——Doc.No.、Page No.、Book No.、Series——が全部空欄でした。さらに、私自身のID情報を記入する欄も空欄のまま。

フィリピンの公証実務規則では、公証が有効になる条件はこうです。

サインした本人が公証人の前に直接出向き、身分証明書を提示する

つまり、公証はサインと同時に完了するものです。後から業者だけが公証人のところに行っても、私の署名部分は有効にはなりません。契約書に「BEFORE ME, personally appeared(本人が私の前に出頭した)」と書いてある以上、両者の出頭が前提になっているからです。

公証なしの契約書は「私文書」として双方の合意の証拠にはなりますが、「公文書」としての法的な証拠力はありません。裁判になった時の強さが全然違います。

なお、フィリピンでは本人不在のまま書類だけ持ち込んで公証してもらうという慣行が実態として存在します。本来はルール違反ですが、現実にはあります。だからこそ、契約時に公証人の前で両者がサインする場を設けてもらうよう、最初から確認しておくことが大事だと思いました。


本当に存在する業者かどうかを調べるには?SEC登録を確認してみた

「そもそもこの会社、実在するの?」と思い、フィリピンのSEC(証券取引委員会)のサイトで調べてみました。

SECはフィリピンの法人登録を管理している機関で、ここに登録されていない会社は法的に存在しないも同然です。

確認方法はシンプルです。

👉 https://checkwithsec.sec.gov.ph/check-with-sec/indexにアクセスして会社名を入れるだけ。

フィリピンのSEC(証券取引委員会)のページ
ここに会社名を記入します。スペースなしで”GreenGridSolutions”という感じで検索をかけます。

G社を検索したところ、登録されていることが確認できました。

項目内容
登録日2023年12月14日(設立約2年の新しい会社)
住所契約書の住所と一致
ステータスRegistered(有効)
Secondary Licenseなし(ソーラー施工業者としては問題なし)

幽霊会社ではありませんでした。ただ、設立2年というのは念頭に置いておいた方がいいかもしれません。

業者と契約する前に、この確認を一度やっておくことをおすすめします。 無料で、5分もかかりません。


屋根にソーラーパネルを設置することの弊害

契約前に、業者のプロダクトマネージャーが現地調査に来てくれました。その時に私が聞いたのが、屋根への取り付け方法についてです。

説明はこうでした。

既存の鉄ボルトを外して、パネル用に穴を少し広げ、土台を固定した後、粘土タイプのシーラントをたっぷり使って防水施工する。今の状態より、取り付け箇所の防水性は確実に上がる、と。

その説明をしながら、取り付け作業のビデオを見せてくれた時に彼が言ったんです。

「Ay, medyo cringy ‘to, ah」

屋根の穴を広げてる自分の仕事に対して「ちょっとイタたまれないぁ、これ…。」と言う専門家。その時は笑って流していたんですが、あとから思い返すと、じわじわ引っかかってきました。どういうこと??

改めて調べてみると、ソーラーパネルの設置と屋根の強度については、少し整理が必要だとわかりました。

  • 取り付け箇所ステンレスボルト+たっぷりのシーラントで、防水・耐久性は上がる
  • パネル自体重量物として屋根にのるので、構造的な負荷にはなる

つまり「屋根の取り付け箇所は良くなる」と「屋根全体が強くなる」は、別の話です。業者の説明は嘘ではなかったけれど、少し広めに伝わっていたかもしれません。

ChatGPTとの会話。かなり私たちは「屋根補強説」で盛り上がっていました。
ChatGPTとの会話。かなり私たちは「ソーラーパネルで屋根補強説」で盛り上がっていました。

施工の質が信頼できる業者であれば問題ない話です。ただ、「信頼できる業者かどうか」がまさに今回の問題だったわけで。

ちなみにSRCで建てた我が家については、こちらで詳しく書いていす


結局G社とはキャンセルしました

4月第2週を過ぎ、5月になっても連絡はありませんでした。

契約書を読み直して、SEC登録を確認して、色々と調べた結果——「この業者とは進めない」という気持ちが固まりました。

理由はシンプルです。

契約外の前払い要求。説明の矛盾。6週間の沈黙。着工期限のない契約書。個人名義の口座。公証ページの空欄。

ひとつひとつは「フィリピンだから」で片付けられなくもない。でも全部重なると、さすがに無視できませんでした。

5月15日、キャンセルのメッセージを送りました。

“Hi, I have decided to cancel the contract dated March 31, 2026. I have not received any update since April 1 despite the installation being scheduled for the second week of April. Please acknowledge receipt of this cancellation.”

一円も払っていないので、損害はゼロです。これだけは本当によかった。

フィリピンでの業者やオンラインショッピングでのトラブルの見極め方については、こちらも参考にしてみてください。


契約前に確認しておきたいこと(まとめ)

同じ経験をしてほしくないので、私が今回学んだチェックポイントをまとめます。

SEC登録を確認する(https://checkwithsec.sec.gov.ph)

着工日・完工期限が契約書に明記されているか

支払いは設置完了後か(前払いを求められたら要注意)

振込先は法人名義か(個人口座への振り込みはリスクあり)

公証ページに空欄がないか

契約書に書かれていないことを口頭で求められたら断る


で、ソーラーはどうするの?

キャンセルはしましたが、「ソーラーをあきらめた」わけではありません。

今回わかったことは二つ。信頼できる業者を選ぶのは思っている以上に大事だということ。そしてメインの家屋の屋根に直接つけることへの迷いが残っているということ。

カーポートを作って、その上に設置するという手もあるな、と提案してみたんですが、ライアンに即却下されました。理由は「風通しが悪くなって熱がこもる」。パネルの話じゃなくて、カーポート自体の話です。

話し合いはまだ続きます。とりあえず当面はポータブルバッテリーを先に買って、停電対策の第一歩にしようかと思っています。レビューはまた別記事で。

シェルター計画、続報をお待ちください。

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