フィリピンに住んでいると、いつかは「保険どうする?」問題に直面します。
フィリピン人のパートナーがいる方も、外国人個人で探している方も、一度は耳にするのが MediCard(メディカード)です。
「結局どれを選べばいいの?」という方向けに、全プランの比較と簡単な診断ツールをまとめました。ぜひ活用してみてください。
MediCardってどんな会社?
MediCardはフィリピンの大手HMO(Health Maintenance Organization)のひとつ。現在はAIAフィリピンの傘下に入っており、全国に 59,000人以上の提携医師・2,000以上の提携病院・クリニック を持っています。
HMOというのは、会員制の医療サービス機関のこと。年会費を払えば、提携病院・クリニックでの診察・入院・検査などが定められた範囲で無料(もしくは割引)で受けられます。
ただし注意点が一つ。提携ネットワーク内の医療機関でしか使えないという縛りがあります。これはMediCardに限らず、すべてのHMO共通の話です。
私自身、以前MediCardのHMO型プランを使っていた時期があります。いざ病院に行こうとしたら「このクリニックは提携外です」と言われてしまった経験があって……。HMOは便利な反面、使える場所が限られるという現実を身をもって学びました。
そしてもう一つ、これは実体験から言えることなのですが。大病院のHMO窓口は、とにかく時間がかかります。
以前、The Medical Cityに行ったことがあります。院内は人でごった返していて、エレベーターに乗るだけで20〜30分待つほどの混雑ぶり。そして大きな病院には1階にMediCardやMaxicareといったHMO専用の窓口があって、診察の前にまずそこに行って申請をしなければなりません。
これが、待たされる。
具合が悪い状態で病院に来ているのに、診察の前にHMO窓口でさらに長時間待たされる。結局、使うのを諦めてしまったことがあります。
経験上、MediCard直営のフリースタンディングクリニックか、比較的小さな提携クリニックに行く方がずっとスムーズです。大病院を使いたい場面もあるとは思いますが、この点は頭に入れておいてください。
MediCardの全プラン一覧
MediCardには大きく分けて 5つのプラン があります。それぞれ目的・料金・対象が異なります。
① Health Plus(ヘルスプラス)
₱1,545 / 年
MediCard最安値のプランです。
- 外来のみ対応(入院・救急は対象外)
- MediCardのフリースタンディングクリニック全18院で使用可能
- 一般内科・婦人科・小児科・外科などのかかりつけ医に受診回数無制限
- 年1回の健康診断(血液検査・胸部X線・尿検査・便検査・身体検査)
- 歯科:年1回の歯石除去(口腔全景X線含む)
- 検査・診断・歯科処置に20%割引
- 年齢制限なし、審査なし
「入院までは要らないけど、かかりつけクリニックだけ確保したい」という方にはコスパが高い選択肢です。年齢制限も審査もないので、まず一歩踏み出したい方にも入りやすいプランです。
② RxER(アールエックス・イーアール)
₱2,378 / 年
外来+救急をカバーする、MediCard独自の専用プランです。
- 外来:MediCardのフリースタンディングクリニックで受診回数無制限(有効日から7日後より利用可能)
- 救急(ER):提携病院のERで最大₱20,000まで補償(外傷・やけど・動物咬傷・薬物中毒など)
- 非提携病院でのER利用も100%償還(₱20,000上限内)
- 年1回の健康診断(有効日から14日後より利用可能)
- 専門医受診は₱600の定額で対応
- 歯科:無料カウンセリング+年1回歯石除去
- 検査・手術・歯科処置に30%割引
- 年齢制限なし、審査なし
- 予約・クリニック検索はfsc.medicardphils.comまたはMediCard GOアプリから
私が2026年6月にオンラインで申し込んだのがこのプランです。RxERについては別記事で詳しくレポートしています。 👉審査なしで入れるフィリピンの保険|MediCard RxER申込レポート
③ Standard(スタンダード)
年齢・プランコードによって変動(目安:₱10,000〜)
MediCardの定番HMOプランです。個人でも家族でも加入できます。
- 入院・外来・救急・歯科・健康診断を網羅
- 全国の提携病院(St. Luke’s、Makati Medical Center、Asian Hospitalなど5つ星病院も対象)
- 入会2年目以降から既往症(持病)もカバー対象に
- プランコードにより室タイプ(病室グレード)・給付上限額(MBL)が変わる
- 申込資格:主会員が18〜60歳
「外国人でも普通に申し込めるの?」とよく聞かれますが、外国人の個人加入は問題なくできます。 私自身、以前MediCard Standardに外国人として加入していたので、これは確認済みです。フィリピン在住であれば国籍は関係ありません。フィリピン人パートナーがいる場合、主会員はどちらでもOKです。
持病がない、または2年の待機期間が許容できるという方で、入院まで含むしっかりとした補償を求めるなら、まず検討したいプランです。
④ Select(セレクト)
実質のコスト:管理費(アクセスフィー)のみ/積立金は返金される
Selectは、他の4つのプランとは仕組みが根本的に違います。
通常のHMOは「保険料を払って補償を受ける」方式ですが、Selectは「リボルビングファンド型」と呼ばれる全く別の仕組みです。
流れはこうです:
- 入会時に「積立金(リボルビングファンド)」を一定額MediCardに預ける
- 診察・入院のたびにこの積立金から医療費が引き落とされる
- 残高が減ったらMediCardから通知が届き、補充する
- 契約終了時に残った積立金が返金される
つまり「保険料を払う」というより「医療費の財布をMediCardに預ける」に近い感覚です。使わなかった分は戻ってくるので、「払い損がない」のが最大の特徴です。
補償内容はStandardやVIPと同等で、入院・外来・救急・歯科・年間健診をすべてカバー。年齢制限もありません。個人・家族・法人での加入が可能です。
ただし積立金の残高管理は自分の責任になります。補充が遅れると入院カバーが停止されるケースもあるため、管理の手間は頭に入れておいてください。積立金の金額や管理費の詳細は個別審査・見積もりが必要です。
⑤ VIP(ビップ)
年齢・プランコードによって変動(目安:₱15,000〜)
MediCardの最上位プランです。
- 入院・外来・救急・歯科・健診をすべてカバー
- 既往症が入会初日から補償対象(高血圧・甲状腺・白内障・胃炎・結核・リウマチなど)
- 自分のかかりつけ医(フィリピン在住の医師)をMediCardに指定できる
- エグゼクティブ健診(上位の検診パッケージ)付き
- MediCardライフスタイルセンターの施設利用可(栄養管理・体重管理プログラムなど)
- 海外緊急医療サポート(Assist America連携)
- 歯科が年2回の歯石除去+一部の詰め物・根管治療にも対応
このVIPについては、私自身が考えさせられた経緯があります。
もともと私は「審査なしで入れるプランはないか」と探していました。気胸の既往があるので、告知や審査があると弾かれそうで怖かったから。
でも夫のPacific Crossを調べていくうちに、気づいたことがあります。フィリピンの医療保険って、日本と比べてもかなり安い。上位プランでも「そんな値段で入れるの?」という水準なんです。
だったら、どうせ審査があるなら、初日から既往症もカバーしてくれるVIPの方が、自分には合っているかもしれない——そう思い始めています。審査を避けてRxERに入った今も、次の更新タイミングでVIPへの切り替えを検討中です。
5プラン 早見表
Health Plus
₱1,545 / 年
RxER
₱2,378 / 年
Standard
₱10,000〜 / 年
Select
要見積もり(未使用分返金)
VIP
₱15,000〜 / 年
※ Standard・Select・VIPの料金はプランコード(室タイプ)・年齢によって大きく変わります。正確な金額はMediCard公式サイトまたはエージェントへの問い合わせが必要です。
あなたに合うプランはどれ? かんたん診断
5つ並べてみると、「自分はどれ?」と迷いますよね。
年齢・予算・持病の有無・何をカバーしたいか——正直、一概に「これが正解」とは言えません。そこで、簡単な質問に答えるだけで自分に合いそうなプランを絞り込める診断ツールを作りました。5問だけなので、よかったら試してみてください。
あなたに合うMediCardプランは?
5つの質問に答えるだけ。最適なプランをご提案します。
MediCardのネットワーク確認方法
プラン選びと同じくらい大切なのが、「自分がよく使うクリニック・病院が提携しているかどうか」の確認です。
MediCard公式の提携施設検索はこちら: 👉MediCard提携施設を探す(fsc.medicardphils.com)
特にHealth PlusとRxERは、MediCardのフリースタンディングクリニック限定です。お住まいの地域にクリニックがあるかどうかを先に確認しておくことをおすすめします。
他の保険と比較したい方へ
MediCard以外のフィリピンの保険・HMOとの比較については、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
あなたの状況に合わせて選ぶなら、こんなイメージです。
- とにかく安く、外来だけ確保したい → Health Plus(₱1,545)
- 外来+救急への備えが欲しい、審査NG → RxER(₱2,378)
- 入院まで含むしっかりした補償が欲しい → Standard
- 払い損が嫌、使わなかった分は返してほしい → Select
- 持病があっても初日から使えるプランが欲しい → VIP
正直、保険ってずっとハードルが高いものだと思っていました。難しい、よくわからない、なんとなく後回し——そんな感じで長い間向き合えていなかったんです。
でも実際に調べてみると、うまく使えばかなり頼りになるツールだと気づきました。当たり前のことなんですけど、知らないと損することって多い。
この記事が、そのきっかけのひとつになれたら嬉しいです。

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