コーヒーを炭酸で割るの? フィリピンで毎日飲んでいるコーヒートニックのこと

フィリピンで毎日飲んでいるコーヒートニック

エスプレッソトニックはフィリピン発祥ではありませんが、実際に暮らしてみると、この国の気候や食文化にはむしろよく合う飲み方だと感じます。暑さの中で求められる爽快感や、柑橘を日常的に使う習慣が、コーヒーと炭酸の組み合わせを自然なものにしているのかもしれません。

Gourmet farmsで注文したエスプレッソトニック。
3層が綺麗!
Gourmet farmsで注文したエスプレッソトニック。
3層が綺麗!

目次

☕ コーヒーを炭酸で割るって、どういうこと?

トニックウォーターの中に広がるエスプレッソ
暑い日に爽やか。トニックウォーターの中に広がるエスプレッソ

コーヒートニックとは、その名のとおりコーヒーとトニックウォーターを合わせた飲み物です。グラスに氷とトニックウォーターを注いで、上からエスプレッソや濃いめのドリップコーヒーをゆっくり落とすと、2層に分かれた見た目になります。
そして泡が現れて、綺麗に3層になるんですよね。

味はというと、コーヒーの苦みとトニックの柑橘感が炭酸の爽快感と一緒に口に広がる感じで、ブラックコーヒーともカフェラテとも違う飲み心地です。甘さはほぼないので、すっきりと飲みたいときに向いています。


🇳🇴 もともとはノルウェー生まれの飲み物

エスプレッソトニックの最初の記録は2007年、ノルウェーのオスロにさかのぼります。スウェーデンのスペシャルティコーヒーブランド「Koppi Roasters」の創業者たちが働いていたバーで、同僚のバリスタがパーティーの残りのトニックウォーターとエスプレッソを混ぜたのがはじまりとされています。その後スカンジナビアで人気が広まり、バリスタのコンペティションを通じてアメリカへ、日本には2015年ごろ伝わりました。

日本でも一部のスペシャルティコーヒーカフェでは飲めますが、まだ取り扱っている店は少なく、一般的な飲み物にはなっていません。実は日本の飲料メーカーが「炭酸コーヒー」として何度か商品化を試みているものの、いずれも定着しなかったという歴史があります。2025年にはタリーズが「FIZZPRESSO」という炭酸コーヒーを新発売し、再挑戦しています。今度こそ定着するのか、フィリピン在住の私としては興味深く見守っています。

日本だと「酸っぱい」って感じるのかも?しかし、湿度の高いトロピカルな国で飲むにはすごくマッチするんですよね。

タイでも事情は似ていて、バンコクやチェンマイのスペシャルティカフェには存在しますが、ごく一部に限られているようです。


🇵🇭 コーヒーの産地でもあるフィリピン、この気候だからこそ合う飲み方

フィリピンはコーヒーの産地でもあります。世界的な知名度はまだ高くありませんが、アラビカ、ロブスタ、リベリカ、エクセルサという4種類のコーヒー豆がすべて栽培されている国は世界でも珍しく、産地としてのポテンシャルは高い。主な産地はベンゲット、サガダ、ミンダナオ島のダバオやブキドノンなど、高地を中心に各地に広がっています。私が住むカビテ州アマデオもそのひとつで、高原の涼しい気候を活かしたコーヒー栽培が盛んです。

そんなフィリピンの気候は、コーヒートニックとの相性がいい。年間を通じて暑く、炭酸の爽快感が素直にありがたい。さらにカラマンシーなど柑橘を日常的に使う食文化があるので、トニックウォーターの柑橘感も違和感なく受け入れられます。

実際、Wild Flourのようなチェーンレストランでもメニューに載っていて、私自身このコーヒーを最初に覚えたのもそこでした。また、アマデオのすぐ隣のシランにあるGourmet Farmsは、コーヒー農園に併設されたカフェで、ここでもエスプレッソトニックが飲めます。産地で、その豆を使ったコーヒートニックを飲む体験は、なかなかぜいたくです。

Gourmet Farms :シランのアギナルド・ハイウェイ沿いにある12ヘクタールの農園で、カフェとレストランが併設されています。フィリピン初の商業コーヒーロースタリーとして知られ、自社栽培・焙煎のコーヒーをその場で味わえる、産地直結のカフェです。

Wild Flour: 2012年創業のマニラを代表するカフェ&ベーカリー。BGCやマカティなど主要エリアに複数店舗を展開するチェーンで、パンやブランチメニューが人気です。


👥 実際に日本人のお客さんに出してみた

日本から遊びに来た友人ふたりにコーヒートニックを出してみました。ふたりとも最初は「コーヒーを炭酸で割るの?」と顔を見合わせていましたが、飲んでみると反応は上々。暑い日にぴったりだと言ってもらえました。

以前、北海道のテレビ番組の取材で家に来た、世界一周の旅の途中であるまさと君も、コーヒートニックを出したところ「これ日本で見たことない!」と言っていました(その時の様子はこちら→どさんこワイド 夢職まさと君が家に来た)。

ふたりのうちひとりはタイ・パタヤ在住の友人で、最初は「タイでも見かけない」と言っていたのですが、後日「タイで先日初めて飲みました!でも日本では見ない気がしますね」と連絡がきました。タイにもあるにはあるようですが、日本ではやはりまだ馴染みの薄い飲み物のようです。


🫗 フィリピン産のコーヒー豆で作ってみた

Wild FlourやGourmet Farmsで飲んで気に入っていたコーヒートニック、自分でも作ってみることにしました。

自宅の台所で手にしたトニックウォーター。

エスプレッソマシンがなくてもエアロプレスで代用できます。少量のお湯で濃縮抽出することで、エスプレッソに近い濃さが出せるのがポイントです。

今年一番の「買ってよかった」もの。お気に入りのエアロプレス。これでエスプレッソっぽいのもが作れる。
今年一番の「買ってよかった」もの。お気に入りのエアロプレス。これでエスプレッソっぽいのもが作れる。

📋 材料(1杯)

材料分量
コーヒー豆(細かめに挽く)18g(付属のスプーンで一杯ぐらい)
お湯(90〜95℃)50〜60ml(本体に書いてる②の位置)
トニックウォーター120〜150ml
グラスいっぱい
カラマンシー(お好みで)1/2個

👩‍🍳 作り方

  1. コーヒー豆をエスプレッソ寄りの細かさに挽く
  2. エアロプレスに挽いたコーヒー豆入れる
  3. エアロプレスにお湯を注ぐ
  4. 10回ほど軽く混ぜて45秒〜1分待つ
  5. ゆっくりプレスする(約40〜50mlの濃い液体ができる)
  6. グラスに氷をたっぷり入れる
  7. トニックウォーターを静かに注ぐ
  8. お好みでカラマンシーを絞る
  9. コーヒーを上からゆっくり落とす

お湯を少量に絞るのは、トニックと混ぜたときに味がぼやけるのを防ぐためです。通常のエアロプレスは200ml前後のお湯を使いますが、このレシピでは50〜60mlに絞ることで濃度をカバーしています。

カラマンシーは初回はなしでも十分おいしいですが、慣れてきたら加えると一気に爽やかさが増します。入れすぎると酸味と苦味がぶつかって味が崩れるので、まずは半個から試してみてください。

地元のコーヒー農園・Gourmet Farmsのコーヒー豆を使った、自作のエスプレッソトニック。
地元のコーヒー農園・Gourmet Farmsのコーヒー豆を使った、自作のエスプレッソトニック。

⚠️ 飲む前に知っておきたいこと

胃が弱い人には不向きかもしれません

コーヒーと炭酸、どちらも胃への刺激が強い組み合わせです。胃酸が出やすい体質の友人は「これは飲めない」と言っていました。胃が弱めの方は無理せず、体調のいい日に少量から試してみてください。

作ったらそっと置く

2層になったグラスをテーブルにドンと置いたり、ストローでかき混ぜたりすると、コーヒー部分がぐわっと広がって、モカ色の泡がグラスの外まであふれ出してきます。その泡、ビールのそれとは全然違って、どちらかというとムースのような粘りがあります。カルメ焼きの工程を3倍速で見ているような感覚、といえば伝わるでしょうか。下手をすると3分の1ぐらいが吹き出てなくなってしまうので、作ったらそっと置いて、混ぜるときはゆっくりと。


🌴 まとめ

コーヒートニックは、ノルウェー生まれの飲み物がフィリピンの気候にすっかり馴染んだ、そんな飲み物だと思っています。日本やタイではまだあまり見かけませんが、フィリピンではチェーンレストランのメニューに普通に載っていて、コーヒー農園のカフェでも飲める。それだけこの国の暑さと相性がいいということかもしれません。

日本から遊びに来た友人たちも、最初は「コーヒーを炭酸で割るの?」と驚きながら、飲んでみると気に入ってくれました。フィリピンに来る機会があれば、ぜひ一度試してみてください。Wild FlourやGourmet Farmsで飲めますよ。

フィリピンには、飲み物だけでなく食べ物にも「え、そうなの?」と驚かされることがあります。名前からして衝撃的なパンの話も書いているので、よければこちらもどうぞ。

👉 フィリピン「売春婦パン」を食べてみた|衝撃的な菓子パンの正体

Kumiko Sato
✍ Author
Kumiko Sato

フィリピン在住の日本人ブロガー。文化・食・日常生活をテーマに、日本とフィリピンのあいだにある歴史や文化のつながりを紹介しています。
フィリピン人の夫とカビテ州アマデオで暮らしながら、海外生活のリアルを記録しています。

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