はじめに――フィリピンでの実体験から
モノは少なくが鉄則!
フィリピン在住の方はもちろん、日本で災害に備えたい方にも使えます!
2020年、コロナ禍のただ中に、マカティからケソンシティに引っ越ししたんです。
5階建てのコンドミニアムで、コミュニティがとても密接で。フェイスブック内のグループで食べ物や不用品を交換したり、売り買いするシステムができていました。飲み水を売って運んでくれるところもあったりして、それはそれで豊かな助け合いの文化でした。
ただ、本当に困ったのが断水なんです。毎日6時間、ひどいときは1日以上続くこともありました。「何時から何時まで」と事前に告知があることもあるんですけど、その通りにいかないこともあったし、予告なくはじまることもあって。
水の確保が、何より大切でした。
あの頃身につけた生活習慣は、今でも続いています。朝起きたら真っ先にやかんと鍋を満タンにする。気がついたら、それが当たり前になっていました。
ちなみに、メンタル最強の優男・夫のライアンは断水が続いても平気!辛いことがあっても全く動じないフィリピンの人たちに励まされながら、暮らしてきた私の経験談をどうぞ!
1. 最低必要量の目安と在庫設計
- 飲用:成人で1.5〜2L/日。暑熱時・作業時は+0.5〜1L
- 調理:1〜1.5L/日(スープ・米炊きは量増)
- 衛生:節水モード時は1〜2L/日(歯磨き・手洗い・簡易シャワー)
- 合計目安:3〜4L/日/人 × 最低3日=9〜12L/人。家族・ペット分を加算
在庫の組み立て例(夫婦+犬4匹)
| 種類 | 数量 | 用途 |
|---|---|---|
| 5ガロン(約19L) | ×2 | 飲用・調理 |
| 2Lペットボトル | ×6 | 予備・持ち出し |
| 10Lタンク | ×2 | 衛生・掃除 |
2. 保存とローテーション(劣化させないコツ)
直射日光はNGで、温度変化が少ない場所に置くのが基本です。キッチン下、廊下収納、ベッド下などが使いやすいです。
先入れ先出しで、補充した日付をラベルで貼っておくと安心。月1回点検して再補充する習慣をつけておくといいと思います。5ガロンはキャップ未開封で保管して、開封後は1〜2週間で飲み切るのが目安です。
わが家の運用:10Lペットボトルを常に5本(=50L)常備しています。残り2本になったら買い足すルールにしていて、シンプルだけどこれが続けやすいんですよね。マニラにいたころは10本まとめ買いしていましたが、収納スペースに応じて備蓄の規模は変えていいと思います。
3. 飲み水の確保:3つの選択肢
フィリピンでは、普段から大きく3つのやり方で飲み水を確保しています。
1. 重力式フィルター
旦那の実家では、大きなフィルターが2段になったバケツタワー型の浄水器を使っているんです。水道水を上段に入れると、ゆっくり濾過されて下段に溜まる仕組みで、電気もいりません。
正直、私はこれがいいなあと思っているんですが、旦那が嫌がるんですよね。フィリピンの水道水は水質が安定していなくて、特にマニラは汚いときは本当に汚い。フィルターへの負担が大きくて、管理を怠るとカビが生えることもあったそうで。
ただ、旦那の家族や妹は普通に使っているので、フィルターをこまめに替えていればいいような気はしています。交換のサインは「濾過した水が少し濁ってきたら」という目視管理なので、水質が不安定な地域では管理がちょっと難しいかもしれません。
2. ガロン水の宅配サービス
浄水したものをガロン(約19L)に詰めて届けてくれるサービスが、あちこちにあります。これも私は使いたいんですが、1と同じ理由で旦那が嫌がるんですよ(笑)。
常に3〜4個ストックしておけると安心なんですが、注意点があります。断水や停電が起きたときはオーダーが殺到して、配給が一気に不安定になります。 非常時だけ頼ろうとしても手に入らないことがある。だからこそ、平時からのストックが大事なんです。
3. ペットボトルの市販品(わが家の主力)
結局うちはこれです。6L、8L、10Lといろいろありますが、うちは10Lを買っています。常に5本ぐらいは常備していて、残り2本になったら買い足す感じです。
シンプルで管理しやすいのが一番の理由です。完璧な方法よりも、続けられる方法を選ぶことが大事だと思っています。
4. 水の貯め方:住環境別の工夫
1階・庭スペースがある場合
私たちが住んでいたのが1階だったので、庭のような外スペースが使えたんです。
蓋つきの大型バケツ(150L) を用意して、常に水を満タンにしておきます。普段は植物の水やりやエアコン(ウィンドウタイプ)の掃除に使いますが、そうじゃないときも常に水を満タンにしておくのがポイントです。
さらに、そのとなりに雨水が溜まりそうな場所があって、そこに小さなバケツを置いておきます。雨季だと1〜2時間で溜まるので、それを大きなバケツに移すこともありました。自然の恵みを無駄にしない感じがして、これは気に入っています。
2階以上の場合
2階以上だと庭が使えないですよね。そういう場合は、折りたたみ式の風呂桶をバスルームに置いて貯めるのがいいと思います。
バケツは入浴用に別で確保しておきたいので、大容量の貯水は風呂桶に任せるのがベストなんですよ。わが家はプラスチック製の折りたたみ風呂桶を愛用していて、掃除が楽なのと、備え付けタイプより深くて大きいので肩までゆっくり浸かれるのが気に入っています。
ここに温かいお湯を張っておいて、翌日のトイレ・掃除・手洗いなどに活用します。
断水で一番困るのはトイレが流せないことなんですが、風呂桶に水がたっぷりあると分かっていれば、そのストレスはかなり軽減できますよ。
水の鮮度について:飲用・調理以外の用途であれば、1〜2日で腐ることはまずないです。断水はいくらなんでも1〜2日で終わりますから。暑い気候では蓋つき容器に保管するのがベターで、気になる場合はハイターなどを水10Lに対して1〜2滴入れると安心できます。
5. 断水中の生活ルール
朝一にやること:やかん、鍋、洗面器、バケツを先に満タンにします。これだけで一日の安心感がまったく違うんですよ。
- 容器の色分け:飲用専用・衛生用でバケツや容器を分けておきます
- 食器洗い:拭き取り→少量洗剤→最少リンス。紙皿やラップも一案
- 洗濯:計画断水明けにまとめて洗う。緊急時は手押し洗いで最少量
6. 断水中の入浴法:日本手ぬぐい+バケツ法
これが一番オリジナルな工夫かもしれません。日本手ぬぐいが、断水時の入浴に本当に役立つんです。タオルより絞りやすくて乾くのが早いし、水の含み方が調整しやすくて。
用意するもの
- バケツ 24L
- 手おけ
- 日本手ぬぐい
- 石鹸
手順
- 手おけに水を半分だけ汲みます
- 手ぬぐいを濡らして体を拭きます(手おけの水は汚さないように)
- 手ぬぐいに石鹸をつけて体になすりつけます(泡立たなくてOK)
- 手ぬぐいで石鹸分を2〜3回に分けて拭き落とします(ぬるぬるが取れればOK)
- 使った水は捨てずに別バケツへ。トイレ用に再利用するので絶対に捨てません
- 手おけにまた半分、きれいな水を入れて石鹸を落とします。また別バケツへ
- 最後に新しく汲んだ手おけの水でザバーっと流して仕上げ
- 髪も同様に洗って、すすぎの水も別バケツへ
これでバケツ半分〜1杯(約12〜24L)で全身が洗えます。 最初は「え、そんな少ない水で?」と思うかもしれないですが、慣れると十分すっきりするんですよ。
ポイント:使った水はすべて別バケツに取っておくこと。このグレーウォーターが、次のトイレ洗浄に使える大切な資源になります。
7. トイレ対策:グレーウォーターの連鎖活用
タンク式トイレは、タンクに直接入れるのではなく、バケツの水を便器に直接流す方法が節水になります。
入浴・洗髪で使ったグレーウォーター(別バケツに取っておいた水)、野菜洗いや米のとぎ汁、シャワーの残り水——これらをすべてトイレ洗浄に回します。水を無駄にしない連鎖ができるんです。
消臭には重曹+クエン酸スプレー、新聞紙で固形物の吸水が効果的です。
長期断水にはコンポストも
何日も水が出ないときは、大のほうはコンポストで十分だと思います。
「コンポスト」と聞くと大掛かりな装置が必要そうに思えますが、そんなことないんですよ。普通の植木鉢に土を入れておくだけで、においも何もしないです。 生ゴミも同じ植木鉢で処理できるので、ゴミにならなくて便利。
外に置くときは、ストッキングみたいな目の細かいネットをかぶせておけば虫も湧かないです。震災時はゴミ収集も遅れがちなので、日頃からコンポストの習慣をつけておくと、いざというとき全然違います。
8. 衛生用品の備蓄
断水は「水」だけの問題じゃないんですよね。
- 重曹・クエン酸:掃除が楽になるのはもちろん、水を使わずに消臭・除菌もできます。断水時の強い味方です
- アルコールはガロンで買う:手指消毒はもちろん、犬が家で粗相をしたときにもアルコールで対処できます。ペットがいる家庭には特に重要です
- ウェットティッシュ:体を拭く、食器を拭くなど多用途で活躍します
- 犬用尿取りシート:断水中はトイレのしつけが乱れることもあるので、多めに備えておくといいです
- ドライシャンプー:頭を洗えないとき、本当に大活躍します
9. ペットの水(犬・猫)
体重1kgあたり約50〜60ml/日が目安です。暑熱時は+20%を見込んでおきましょう。
フードはウェット比率を上げて飲水量を補うといいです。器は日陰に置いて、こまめに替えてあげてください。
10. 電気×水 同時停止に備える
重力式フィルターや手押しポンプは停電でも動くので、ひとつ持っておくと安心です。ポータブル電源は普段から充電済みの状態を維持しておきましょう。
冷蔵庫は開閉を最小化して、製氷で保冷材を確保。夜間はソーラーランタンやヘッドライトを用意しておくといいです。
11. 調達・配給・近隣連携
配給の並び方:身分証、容器の容量表示、整理券の有無を事前に確認しておきます。
水屋(Refilling Station):定休日、停電時の稼働状況、デリバリー可否を平時から把握しておくことが大事です。非常時は混雑しますから。
コミュニティを活用する:ケソンシティのコンドミニアムでは、フェイスブックのグループで物資の融通が日常的に行われていました。近隣との関係が、いざというとき本当に力になるんですよ。
12. 買い物リスト(初期セット)
- 5ガロンボトル×2〜4、栓抜き付きディスペンサー
- 150L蓋つきバケツ(屋外貯水用)
- 24Lバケツ×複数、折りたたみバケツ
- 折りたたみ式風呂桶(プラスチック製)
- 手おけ
- 日本手ぬぐい×数枚
- 重力式フィルター+替えカートリッジ
- キッチンペーパー・不織布
- 重曹・クエン酸
- アルコールジェル(ガロンサイズ)・ウェットティッシュ
- ドライシャンプー
- 犬用尿取りシート(ペット飼育の場合)
- ストッキング素材のネット(コンポスト用)
- ソーラーランタン、ヘッドライト
- ポータブル電源(任意)
13. よくある質問(FAQ)
Q1. 料理にグレーウォーターは使えますか?
使えません。飲用・調理は飲料グレードの水のみです。グレーウォーターはトイレ・掃除専用にしてください。
Q2. 5ガロンの交換頻度は?
開封後1〜2週間で飲み切るのが目安です(室温保管)。未開封は表示期限内にローテーションします。
Q3. 断水の告知が急だったときの最小セットアップは?
鍋・やかんを総動員してペットボトルに充填して、トイレ用のバケツを確保する。この順で動くといいです。
Q4. 風呂桶の水、何日まで使えますか?
飲用・調理以外なら1〜2日は問題ないです。断水はいくらなんでも1〜2日で終わりますから。気になる場合はハイターなどを水10Lに対して1〜2滴入れると安心できますよ。
Q5. フィルター式浄水器はおすすめですか?
管理できるなら便利だと思います。ただ水質が不安定な地域では交換頻度が読みにくくて、サボるとカビのリスクがあります。「濾過水が濁ってきたら交換」が目安です。続けられる管理方法を選ぶことが大切です。
完璧な備えより、続けられる備えが大事だと思っています。自分の住環境・家族構成・生活スタイルに合わせて、少しずつアップデートしていきましょう。
断水への備えと同じように、電力への備えも進めました。フィリピンの田舎暮らし・在宅ワーク夫婦が、電気代が安くてもソーラーパネルを導入した理由はこちら⬇️
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