フィリピンで暮らしていると、防犯について考える機会が日本にいた頃とは比べ物にならないくらい多い。
今回は、私たちがなぜCCTVを設置することにしたのか、そしてマニラとカビテでどう意識が変わったかを書いてみたいと思います。
はじまりは、コンドへの「侵入」だった
マニラに住んでいた頃、私たちは24時間警備のあるコンドミニアムの1階に住んでいました。
ある週末のこと。夫婦でゆっくりしていたとき、鍵をかけていなかった玄関から、
突然見知らぬ女の子が入ってきたのです。
一瞬ライアンの家族かな?と思うぐらいに自然に。
小学校6年生くらいの子でした。驚いて声をかけると、彼女はすぐに逃げていきました。追いかけて話を聞くと、「お金がありそうだったから」という答えが返ってきた。
24時間警備のある建物の中でも、こういうことが起きる。
フィリピンは、基本、子どもとお年寄りに優しく、特別扱いされることが多いです。
そのために警備が緩んだのかもしれません。
というか、めちゃくちゃフランクに侵入してくるんだな…
と、今更ながら正直、かなりの衝撃でした。
まあ、「お前も鍵をかけろや」って話なのですが…。
それでつけたはじめてのCCTVがこれでした。
このときはWiFiタイプのCCTVで十分に対応できました。
ユニットが小さく、コンドの窓からのWiFiでも問題なく動いてくれました。
カビテに移住して、意識ががらりと変わった
その後、アマデオ・カビテに移り住んでから、自己防衛の大切さがより一層身に染みるようになりました。
今住んでいるのはサブディビジョン(住宅地)の中ですが、警備員は朝7時から夜7時までの1人だけ。夜間は無警備に近い状態です。そして、塀を超えて侵入してくる部外者がいることも、HOA(町内会のようなもの)でたびたびシェアされています。空き瓶を投げつけられたり、家の周りをうろうろされたり、という話も珍しくありません。
マニラよりも銃が身近に流通しているカビテでは、「自分の身は自分で守る」という意識が強い。バランガイや警察がきちんと対処してくれないことも多く、自分たちでなんとかしなければという危機感は、日本とはまったく違います。
CCTVやダッシュカムの重要性を実感できる実例:
フィリピンで喧嘩に巻き込まれたら?―正義より賢さが必要な場所で生きる
ただ、そのぶん「ご近所とのつながり」がとても大切にされています。お互いに見守り合い、困ったときは団結する——これがフィリピンでいうパキキサマ(pakikisama)の精神ですね。
パキキサマ文化とフィリピンの家族やコミュニティーに関する記事はこちら⬇️


特に田舎ではトルーパと呼ばれる、地域の助け合いから生まれた結束グループも存在します。暴力がいいわけではないけれど、自分たちのコミュニティを自分たちで守ろうという意識のあらわれだと思っています。
ひとつ注意点として、フィリピンでは「事前に防ぐ」という考え方が弱い方が多く、何かが起きてからようやく動き出すケースがほとんどです。だからこそ、移住者側から積極的に対策を考えることが大切だと感じています。
ご近所トラブルと、「録画があれば」という後悔
CCTVの必要性を強く感じたのは、侵入だけではありません。
禁止されているゴミの焼却——プラスチックごみまで燃やす人が少数ながらいます。また、そういった人たちがエサをやっている野犬が、うちの犬を襲ってきたこともありました。よそのうちでは噛み殺された犬猫もいます。
こうしたトラブルのとき、「録画があれば」と何度思ったことか。証拠があれば、HOAやバランガイ(自治区)への相談もずっとスムーズになります。
マニラとカビテで、CCTVの選び方が変わった理由
マニラのコンドでうまくいっていたWiFiタイプのCCTVが、カビテの新しい家では使えなかった。
理由は家の構造です。うちはSRC(鉄筋コンクリート)造で、通常よりかなり頑丈な壁。WiFiエクステンダーをつけても、カメラの設置場所まで電波が届きにくく、大事な場面を録画し損なうことが続きました。
代替案として検討したのは以下の3つ:
ソーラータイプ 以前ケソンシティにいた頃、WiFiタイプのCCTVを直接電源につないで使っていたことがあります。ソーラーも検討したのですが、日当たりが十分でない場所だと電力供給が安定しない感じがして、結局有線の電源を使いました。
アマデオは特に雨が多いので、曇りが続くだけで電源が落ちてしまう、とご近所さんが。
安定した監視はちょっと難しいかも。
4G・5Gタイプ 実際にはまだ使ったことはありません。シグナルさえあればどこでも設置できるのは魅力ですが、SIMカードを別途用意して毎月の通信費がかかるのが正直つらいところ。買ってはあるので、いつか試してみるかもしれません。
PoEタイプ(今回選んだもの) Power over Ethernetの略で、LANケーブル1本で映像と電源を同時に送れる方式。実際に使ってみて、まず画像の安定感に驚きました。録画もスムーズで、WiFiタイプとは安心感がまったく違います。モニターやレコーダー、ケーブルの接続など、セットアップが少し大仰に感じたのは正直なところですが、その分ちゃんとした仕事をしてくれます。唯一の欠点は、ケーブルが黒いので家の見栄えが少し気になること。……でも、気になるならペンキを塗ってしまえばいい。(それでいいのか?)
買う場所も大事:ご近所からのアドバイス
CCTVを買うにあたって、近所の人からとても実用的なアドバイスをもらいました。
「オンラインショップではなく、実店舗で買うべき」、
そして「なるべく自分の家の近くのお店を選ぶべき」ということです。
フィリピンのオンラインショップでは、商品が合わなかった・動かなかったという場合の返品がとても面倒。しかも不具合があっても、開封時の様子を動画で撮っておかないと、何があっても返金・返品に応じてもらえないケースがあります。
実店舗、しかも近くのお店であれば、何かあったときすぐに相談しに行ける。設置工事込みのサービスがあればさらに楽です。
電子機器に詳しい人なら話は別ですが、私のように数字が並ぶだけで頭痛がするタイプには、できるだけシンプルで確実なルートを選ぶのが一番です(笑)。
私が買ったのはアマデオにあるJAYRHOというお店。いつも行くコーヒーショップのすぐ近くです。近所の知人はダスマリニャスで買ったと言っていましたが、アマデオからならダスマがちょうどいい距離感かもしれません。
とにかく、「何かあればすぐ行って相談・修理・調整をお願いできる距離」であること。それがお店選びの一番の基準だと思っています。
設置場所と、そのほかの防犯対策
カメラは現在2台、正面と裏に設置しています。本当はもっと増やしたかったのですが、夫に「それはやりすぎ」と言われてしまいまして(笑)。後付けも可能とのことなので、ひとまず今はこの2台でスタートです。
CCTV以外の防犯としては:
犬たちの存在がじつはかなり役立っています。うちは5匹いて、彼らが室内外の異変に敏感に反応してくれます。フィリピンでは、テリトリー意識が強くて丈夫なアスピン(Aspin、フィリピンの雑種犬)を防犯のために外飼いにしているうちも多い。ただ、そのぶんアスピンが道具のように粗末に扱われているのも現実で、見ていてつらいことも少なくありません。
新しいドアも防犯を意識して替えました。これについては別の記事に詳しく書いています。
→ フィリピンで玄関ドアをカスタムオーダーしたら壁ごと取れた話
一般的なフィリピンの防犯としては、窓に鉄柵(グリル)をつけること、塀を高くすること、塀の上に鋭い突起物を設置することなどがあります。ただ、私が住んでいるエリアはウィークエンダー(週末だけ来る家族)が多く、マニラや刑務所を思わせる鉄柵は好まれない雰囲気もあります。地域によって、防犯の「空気感」はかなり違います。
そのドアを雨から守るため、キャノピーも設置しました。
→ 勝手口にキャノピーを作ってもらった話【前編】
まとめ:フィリピンの防犯、本当に大切なこと
マニラでは邦人を狙った強盗が立て続けに起きたり、強盗や殺人があってもニュースになったりならなかったりします。そんな国で防犯を語っても…と思われるかもしれません。
でも、じつは一番の防犯は「良い隣人になること」「親しみやすい人でいること」だったりするんです。
フィリピンでは、ガードを上げすぎてフレンドリーじゃない人のほうが「あの人はなんだ?行け好かないやつだ。何か隠し事でもしているのか」と逆に怪しまれます。横のつながりを作り、お互いを助け合うこと——それが一番の防犯です。
そして同時に、「証拠を残す」ことが大きな防御になります。いわゆるバキヤ(Bakya、教養のない人を指す言葉)な人ほど、話の筋が通らないことを大声で怒鳴って話の焦点をぼかそうとしてきます。そういうときは言い返さず、記録を残しておくこと。CCTVはまさにそのためにあります。
地域によって身の守り方も変わります。マニラ旧市街やマカティ・マラテのような都会では、暗い時間帯の一人歩きを避ける、キラキラしたアクセサリーをつけない(ピアスを肉ごと引きちぎられるケースもあります)、自分の豊かさを見せびらかさない(嫉妬から暴力沙汰になり、命を落とした人もいます)——言い出したらキリがないですが。
結局のところ、その土地の人と親しくなり、その土地の防御術を学ぶことが一番です。
コンドかサブディビジョンか、マニラか地方か。そのちがいを知っておくだけでも、準備がずいぶん変わるはずです。セキュリティの話は地味で少し怖く感じるかもしれない。でも、しっかり備えておくことが、ここでの暮らしを楽しむための土台になると私は思っています。
CCTVで「見える化」し、ドアを強化し、次はいよいよ電力の自立へ。同じ「シェルター計画」の一環として、ソーラーパネルの導入も決めました。電気代が安くても導入を決めた理由と、業者とのやりとりの正直な記録はこちら⬇️
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