
そもそも、なぜキャノピーが必要になったのか

前回の記事では、フィリピンの洗礼を受けながらも、念願の新しいドアを手に入れた話を書きました。
オーダーメイドの木製ドア。重厚で美しい、お気に入りの一枚。
……その新しいドアを取り付けた直後、ドア屋さんのロシェルさんから一言。
「勝手口のドア、キャノピー(小さな屋根)を作った方がいいですよ。
雨風から守らないと、ドアの状態が全然違ってきますから」
そうなんです。そもそもドアを替えることになったのは、去年の雨季と繰り返し来た台風で、ドアから水が入り、ヒビが入ったからでした。
せっかく新しくしたドア。なんとしても守らなければ。
キャノピーを作ることは、即決でした。
アマデオで作業員を探すのが、一番の難関
「作ることは決めた。でも、誰に頼む?」
アマデオには、ホームデポや建材を売るお店がたくさんあります。材料を探すのには困らない。
問題は作業してくれる人を探すこと。
ダスマリニャスのような大きな街に行けば業者はすぐ見つかります。でも「アマデオまで出張」となると採算が合わないらしく、断られることが多い。地元の素材屋さんに相談しても、「作業員を雇ってたけど、みんな辞めちゃって今はいないんだよね」という返事ばかり。
フィリピンのこういうサービス事情、あるあるすぎる。
そこで私たちが試みたのは、アナログ中のアナログ——聞き込み。
ガードマン、近所の人。できるだけアマデオで生まれ育った地元の人たちに「フレームワークできる人、知らない?」と聞いて回りました。
するといるんですよね、必ず。大概は「うちの兄弟が」「いとこがそういうの得意で」という返事が返ってくる。
今回声をかけたのは、ご近所のアーノルドさん。一族ごとアマデオに住んでいる生粋のローカル。彼のいとこが建築のフォアマン(工場や建設現場での職長、作業責任者)をしているとのことで、電話で連絡を取ってもらいました。
「いいよ!日曜しか作業できないけど、それでもよければ」
どのくらいかかる?という質問に——
「1日でできるんじゃないかな?」
「何を作って欲しいかは、もう頭の中にある。わかった。じゃあ日曜日に。」
お金の話は一切なし。詳細も一切なし。
でも妙な安心感をもつライアン。
不安しかないわたし。
大丈夫なのか…。こういうざっくばらんさ、フィリピンらしいなあと思いながら、日曜日を待ちました。
爆音のトライシクルで、2人組が現れた
日曜の朝。
遠くからものすごい爆音が近づいてきて——フォアマンのロリーさんと、その相方が2人でトライシクルに乗ってやってきました。
アマデオで話されるのはタガログ語ですが、カビテ訛りがあります。ライアンはマニラ生まれですが、カビテで育ったのでその訛りが使える。「おうおう、どうもどうも!」という感じで、すぐに打ち解けた空気になりました。
勝手口を見るなり、ロリーさんは言いました。
「わかった!じゃあ材料買いに行くべし!アルミの棒とトタンが必要だわ。4,000ペソもあればおつりがくるんでねぇかな」
そしてライアンも財布を握りしめて、即座にトライシクルに飛び乗り、材料屋さんへ向かったのでした。
材料屋で起きた小さなハプニング

材料屋に到着したライアン、「私に見せよう」と写真を撮り始めると、トランシーバーを持った男性が近づいてきて。
「おめぇ、なに写真撮ってるのよ?勝手に当たりパチパチやるなや」
あ、撮っちゃいけない場所だったか……とライアンが焦りかけたところ、ロリーさんが間に入って一言。
「嫁さんが外国人だから、色々見せてやりたいんだと。別にかまわねぇべ?」
するとその男性、
「んだか。OK! サナオル(Sana ol=みんなそうだったらいいのに、うらやましいな、というタガログ語のスラング)」
そうか。羨ましい話だぁな、と言って、去っていったそうです。
私たちは、外国人が得をすること、外国人だから多目にみてもらえることを「外人カード」と夫婦間で呼んでます。
フィリピンにはそういう場面がけっこうあります。
今日も外人でよかった。クヤ・ロリー、ナイスアシスト!
材料はシンプル、2点のみ

買ってきた材料はこの2点だけ。
| 材料 | 単価 | 数量 | 小計 |
|---|---|---|---|
| アルミ棒(G.1 Tubular 2×2) | 720ペソ | 2本 | 1,440ペソ |
| トタン | 1,750ペソ | 1枚 | 1,750ペソ |
| 合計 | 3,190ペソ |
意外なほどシンプル。これがキャノピーになるのか、と思いながら眺めました。
作業スタート、同時進行でセールス活動も

午前10時ごろ、作業開始。
手際はいいです。サクサク進む。フォアマンと相方の2人で役割分担しながら、キャノピーの骨格を組み上げていきます。
作業を眺めていると、面白い場面がありました。
近所の人が通りかかって、作業を見て話しかけてきたんです。
「うちでもこういう仕事してもらいたいんだけど、できる?」
「できるよ!」
「じゃあ俺の番号渡すわ、今度来てみてもらえるかな」
「いいよ!」
仕事しながら、同時進行でセールス活動。
フィリピンの職人さんあるあるです。口コミと紹介で仕事が回っているこの感じ、嫌いじゃないです。
横壁は「要らない」という判断
途中、横からの雨が心配になって「横壁も作れますか?」と聞いてみました。
フォアマンの答えは明快。
「壁があってもあまり意味ないかもよ。横殴りの雨の場合は何があってもドアは濡れるし、見た目もよろしくない」
プロの判断を尊重することにしました。
ちょっと短いかな?と気になったひさしの長さは80センチ。調べてみると、ひさしとして十分な長さでした。
8割完成、想像より「かわいい」
午後5時ごろ、その日の作業終了。
仰々しくなるかな、アルミ棒が目立つかなと思っていたけれど——壁の赤に合わせてトタンを塗ってもらったら、こじんまりとした可愛い仕上がりに。
思ったよりずっといい感じです。
今は乾季なので雨の効果はまだ確認できていませんが、直射日光がドアに当たらなくなったのは、その日からすぐにわかりました。
残り2割——来週の日曜日に、錆止めとシーラント(キャノピーと壁の隙間を埋める)の作業が残っています。
今回かかった費用(中間報告)
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 材料費(アルミ棒2本+トタン1枚) | 3,190ペソ |
| 作業費(チップ込み・来週分も含む) | 2,000ペソ |
| 現時点の合計 | 5,190ペソ |
来週の仕上げに必要な道具代(錆止め塗料・シーラント・ハケなど)が別途かかる予定です。フィリピンの小規模工事では、道具も使い捨てで施主負担が基本。
完成したら、最終的な費用と効果をまとめた後編を書きます!
電力の自立も、シェルター計画のひとつです。電気代が安くても、在宅ワーク夫婦がソーラーパネルを導入した理由と、実際の見積もり・業者とのやりとりを全部書きました。
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