🗓️ 最終更新日:2025年10月25日
国際結婚なんて自分には関係ない——そう思っていた私が、いまフィリピンで暮らしている。
文化の違いを越えて「この人と生きたい」と思えた日から、私の新しい人生が始まりました。
ここでは、私たち夫婦の出会いから結婚、そしてフィリピン移住までの記録をまとめます。
出会いのきっかけと結婚を決めた理由
オンライン英会話で出会ったフィリピン人講師
フィリピン人の夫・ライアンと出会ったのは今から15年前。
当時、私は英語力を伸ばすためにオンライン英会話を始めたばかりでした。
たまたま予約した先生が、のちに夫となる彼です。

最初の印象は「チャラくてペラペラと口の回る男の子」。
訛りのない英語を早口で話すので、正直、最初は少し気圧されました。
けれど話してみると、色々と共通点があり、優しく、どこか懐かしい温かさを持っていました。
初めての授業はほとんどフリートーク。
「アイスの味は?」「チョコミント!」「僕も!」——そんな他愛ない会話から始まりました。
当時の私は、25分のレッスンが終わってもダラダラ話し続けて無料延長を狙うという“裏ワザ”を使っていました(もちろん今はおすすめしません)。
けれどライアンはその手には乗らず、時間ぴったりで「See you next time!」と終了。
よくある”次のレッスンも絶対に指名してね”というセールスもなし。
「あら、意外とプロフェッショナルなのね」
見た目のチャラさとは違う真面目さに、ちょっと心を掴まれたんですよね。
まっすぐすぎるアプローチ
ところが翌日から、彼の猛烈なアプローチが始まりました。

「好きぃ〜ん、大好きぃぃぃ〜ん!!」移動途中、会社の休憩時間ごとに10分から30分間隔でくるメッセージ。
夜は10時から翌朝2時まで毎日電話。駆け引き一切なし、まっすぐすぎる愛情表現でドン引きするほどでした。
7つも年下で、髭も生えてないような童顔の子からそんなこと言われても、と、最初はその気もなく戸惑うばかり。
でも誠実さに触れるうちに、「この人と家庭を築くべきだな」と自然に思うようになったのでした。
フィリピン人の夫と国際結婚を決めたときの思いと覚悟
海外移住の決断を後押しした言葉
ある日、ライアンが言いました。
“In the Philippines, you can survive even with no money.
Being poor isn’t something to be afraid of — even if you sleep outside, you won’t freeze to death.
Papayas, bananas, and vegetables grow everywhere; you just pick and eat them.
No matter what happens, we can still live happily.”
(フィリピンではね、どんなにお金がなくても生きていけるんだよ。
貧乏でも平気。外で寝ても凍え死ぬことはないし、
パパイヤやバナナ、野菜がそこらへんに生えてるから食べればいい。
何があっても僕らが幸せに生きていける方法はたくさんあるよ。)

今思えば無茶苦茶な話ですが、その言葉に不思議と迷いが消えました。
「お金がなくても楽しく生きていくのは十分可能なんだ。ゼロから二人で始めよう。」
私は日本を出て、フィリピンへ移住し、一緒に暮らし始めました。
文化や言葉の違いよりも「一緒に生きたい」
海外移住や国際結婚は、普通に考えたら不安だらけではあります。でも日本人同士でもうまく付き合えない性分だし、大変なのはどの国籍でも同じだなあ、と。
お金の使い方、仕事の向き合い方、両親の理解を得るまでの苦労、そして手続き……。
けれどライアンは、
「生まれ育った環境が違っても、どんな状況にいても、私の味方でいてくれる人」だという確信が生まれました。
フィリピンと日本の家族観・生活観の違いと問題
家族優先のフィリピン、個人主義の日本
フィリピンでは家族や親戚とのつながりが非常に強く、「家族が最優先」。
誕生日や法事、行事には何十人もの親戚が集まり、笑い声が絶えません。
いとこの、またそのいとこの、そのまたまたいとこが普通に集まる。子どもたちが大人たちの間を駆け回る。
父方、母方の両方それぞれでパーティーがあるので、クリスマス時期などは大変な盛り上がりを見せます。
同僚たちも「家族の一員」
家族だけではありません。職場の人たちとのつながりも、場合によっては家族以上のものになることだて珍しくはないんです。
そうするとファミリーでのパーティー、そして職場の人とのパーティー。月ごとのイベントが行われることもあります。
日本では個人の時間を大切にする傾向が強く、最初はそのギャップに驚きました。
でも、暮らすうちに「人とのつながりの豊かさ」を実感するようになりました。
ライアンと、彼の家族は、少し変わっています。
最近はここまでメインの家族以外はあまり付き合いがありません。
父方、母方のおばあさんが亡くなってから、親戚づきあいはほぼ無くなってしまいました。
ライアンはとってもフレンドリーですが、私と犬たちとの時間をもっと大切にしたいと、滅多に出歩きません。
お酒も弱いしね。
食生活と家事分担の違い
私たち夫婦に共通するのは次の4点です。
- 野菜をしっかり食べる
- 脂っこいものは控えめ
- 食べ物は無駄にしない
- なんでもチャレンジ!食の冒険をしてみよう
どんなご飯を好むかは、国際結婚でなくても大事な要素。
食事の好みが合うだけで、日々が穏やかになります。
一般的なフィリピン人は肉や甘い料理が多めですが、私たちは野菜中心。
フードロスを減らす工夫もしています。
家事は、掃除・洗濯・買い出しはライアン。料理は私。
お互いの得意分野を活かして、自然に分担しています。
国際結婚に必要な手続きとビザ申請
国際結婚の良いところは、別々の国籍であることから得られる利益を、お互いに分け与えることができるからです。
当時フィリピンの会社に勤めていた私。加入した保険が配偶者にも適用されました。フリーで英語を教えていたライアンにはそれがありません。当時病弱だった彼をみて、結婚を決意しました。
私はフィリピンにより良い条件のビザで移住ができる。ライアンも、割と楽に日本に旅行・移住が可能になる。どちらかに何かあったときにお互いを守ることができます。
だがしかし、結婚手続きはめちゃくちゃ大変
エージェントを介さず、すべてライアンにフィリピン側の手続きをしてもらいました(私は日中オフィスにいたので)。
文字が潰れて読めない出生証明書などと向き合い、受付窓口やオフィスをたらい回しにされるなど、何度も家と旧市街にあるマニラ市役所を出入りしないといけませんでした。
当時市役所には、弁護士 兼 婚姻挙行担当官だったライアンの叔父さん、ニノン・ポールがいたので、彼に一任できました。それでもかなり大変。毎日書類と一緒にヨロヨロになって帰ってきていた姿を思い出します。
日本側での婚姻手続き
日本では、婚姻届を市区町村役場に提出します。
必要書類は戸籍謄本、婚姻要件具備証明書など。
提出後、「婚姻受理証明書」が発行され、日本で正式に婚姻が成立します。
フィリピン側での婚姻登録
次に、フィリピンの市役所(LGU)で婚姻登録を行い、PSA(統計庁)に反映させます。
さらに、外国人配偶者としてACR I-Card(外国人登録証)などの取得も必要。
書類は英語で作成されるため、タガログ語を理解しなくても大丈夫。
しかし従来の手続き通りに進まないのがフィリピンです。外国人が顔を出すと余計な手間が挟んでしまう…などの実情もあるので、夫のサポートが欠かせません。
長期滞在ビザと13Aビザ
フィリピンで長期滞在する場合、多くの日本人配偶者が「13Aビザ」を申請します。
手間と費用がかかりますが、自分でやると出費は随分と抑えられます。永住に近い滞在資格を得られるのが魅力です。
逆に、日本で暮らす場合は「日本人配偶者等ビザ」を取得する必要があります。
フィリピン人夫との暮らしで感じた課題と工夫
言葉の壁?お互いの文化を知る重要さ
私たちは英語中心で会話します。英語70%、日本語20%、タガログ語が10%です。しかし、共通言語があれば理解し合えるのでしょうか?
大きな間違いは、「言語さえ話せたら、全て難なくコミュニケーションができる」と考え。
それぞれの言語には文化という背景にあります。
それをよく知ることで、うまく話せなくてもより良い理解ができるということを、フィリピン人夫との暮らしで日々学んでいます。
ライアンが来日した時も、日本の文化について話し合いましたし、私がここにきた時も、いいところ悪いところを全て、学び続けています。
そのせいか、コミュニケーションで困ったことは一度もありません。たまに私たちが別の国籍であることすら忘れるぐらいです。
金銭感覚と家族への仕送り文化
フィリピンでは、働く家族が親に仕送りするのが一般的。
家族も「どうしてこれくらいしか仕送りしてこないんだ、いくら稼いでいるのか通帳を見せなさい!」
…と迫るところもあるとか。一族の誰かに稼ぎがあれば、そこに群がって助けを求める家庭は少なくありません。
もっとすごいところだと、パートナーの兄妹の、恋人まで家に住み着き、生活費を入れるわけでもなく
ずっとあなたが面倒をみる…なども珍しいことじゃないんです。
これは私には受け入れにくいカルチャーの一つ。
ある程度奢ったりということはありますが、
毎月あれこれを面倒見るということはできないです。
ありがたいことにライアンの家庭ではそれぞれが自立しているので、
お金をせびるということはまずありません。
たまにお母さんやお父さんが「色々奢ってくれ」と言う時はありますが、
無茶な要求にはNOというカバティンガン一族。これは本当に珍しいセットアップ。
もしあなたのパートナーが家族への仕送りをしないといけない場合、上限をしっかり決めておく必要があるかも。
自分を守るためにも、お金に関することははっきりさせておきたいものです。
書類・時間感覚の違い
フィリピンにいて一番辛いと感じるのはこれ。
いろんな手続きは手順通りにいかないし、名前の表記ゆれや、手続きの遅れなど、四六時中起きます。「私、試されてる」と感じることばかりです。
⬇️フィリピンの手続きで苦労している様子はこちら⬇️


時間にルーズなのはあまり気にならなくなった
“Filipino Time”と言って、約束の時間に遅れることはよくありますが、これは大した問題でもないと思ってます。メッセージを取り合って、その間に自分の好きなことをして有意義に過ごすなどができるし、
あんまりにも遅かったら「帰るわ、疲れた」と言って帰ったらいい。
私たちの場合は、一切待ちません。遅れがちな人と会う時は、必ず現地集合にしています。そしてイライラし始める前に、来なかったら帰る!

実はフィリピン人である夫、ライアンの方が時間には厳しい。
彼の父親が時間にとてつもなくルーズで、4−5時間平気で遅れるなど日常茶飯事。
父親に合わせて家族みんながいつも大遅刻をするので、流石に恥ずかしかったそう。
今は1分でも時間に遅れたら、問答無用。待たずに出発してしまいます。
私と暮らしてから、時間前につくのは当たり前。
ダラダラしてると「悪いフィリピン文化を真似しないで」とピシャリと言われてしまいます。
約束の前日になると「Tuloy?(トゥロイ)」本当に予定通りに実行ってことでいい?
…と確認し合うのがフィリピン流。
Tuloy bukas?(明日会うよね)
Oo,Tuloy tayo!(うん、会おう!)
なんか気が乗らなくなったら「ゴーストプラン👻」と言って
そのまま約束自体が無かったことにすることもよくあります。
そのため、あまりこれにイライラすることはなくなりました。
相手のルーズさに合わせず、自分の気持ちに素直になっていいのがこちらでは本当に気楽です。
今では「これも文化」と受け入れています。
フィリピンでは離婚ができない?アナウメントという制度
フィリピンでは法律上、離婚は原則として認められていません。
代わりに「アナウメント(Annulment)」という婚姻無効手続きがあり、
これは「最初から結婚が無効だった」と裁判で認定される制度です。
手続きには数年単位と高額の費用がかかるため、離婚よりもずっとハードルが高いのが現実です。
こうした制度の違いを理解しておくことも、国際結婚における大切な準備のひとつです。
結婚生活10年目に感じる変化と成長
チームとして支え合う夫婦関係
家事もお金の管理も、得意な方が担当するスタイル。
「どちらがやるか」ではなく、「どう支え合うか」で物事がうまく回るようになりました。
フィリピンでは、カップルは二人一組。ワンユニットとして数えられます。
日本でよくあるように、彼女はディスニーランドに行って、彼氏は家でくつろぐ、などという別行動はほぼありません。
稼ぎも、あなたがいてくれて助けてくれるから働けたお金、として二人の財産として大事に使います。
間違っても「私が稼いだお金で家族を食わせている」なんて傲慢な考え方はしません。
これは私たちのルールです。
世界を広げてくれたフィリピン人夫との日々
彼の家族や友人たちを通じて、私の世界は大きく広がりました。
文化の違いを楽しみながら暮らせるのは、国際結婚ならではの特権だと思います。
国際結婚を考える女性・男性へのアドバイス
何よりお互いを知ることから始めて
婚姻手続きやビザ申請は時間も労力もかかります。
まずは日本大使館や役場の最新情報を確認し、計画的に進めるのがポイントではありますけれど、それは後からでもできる。
最初はお互いのバックグラウンドや考え方、好きな食べ物、宗教などをこれでもかというぐらいシェアしあうことです。
楽しい時は一緒にいて楽しいに決まってる。でも結婚生活では辛いときにも一緒にいれるかどうかが大切。フィリピンにいると辛い時もかなりあります。そこで手を振り解かずに一緒に解決できるかどうか。私は短気なので、全部を放り投げたくなる時がたまにありますが、そこでしっかり手を握ってくれるのがライアンです。「一緒に解決しようよ!だって僕らワンユニットなんだから!!」と。
思いやりと柔軟さがカギ
文化の違いを「直そう」とするより、「楽しもう」とする姿勢。
この心構えが、長く続く夫婦関係のいちばんの秘訣です。
- 服の畳み方が私とライアンと違う。
- 食器を洗うまでの時間が、ライアンの場合かなり長い。
- 私は夜にお風呂に入る(フィリピン人は朝にお風呂に入る人が多い)。
細かなことを気にするのは結構やめましたし、
お互いのやり方を取り入れて10年以上一緒に暮らしています。
柔軟さはどのカップルでも必要だと思います。
まとめ|フィリピンで暮らす日本人妻として
国際結婚は、冒険のようで、学びの連続でもあります。
フィリピンでの暮らしは日本とはまるで違いますが、
思いやりと信頼さえあれば、どんな国でも幸せを築ける。
違う国に生まれたのが原因で、またお互いの国情勢が原因で二人が離れ離れにならないように。
この記録が、これから国際結婚やフィリピン移住を考える方の参考になれば嬉しいです。

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