100冊読みたい!フィリピンで恋しくなるのは「日本の本屋さん」
フィリピン共和国に住んで13年。海外住まいで何が一番恋しいかというと、日本食よりも日本の本屋さんです。
一時期は気になる本や最新刊が読みたい!でも好きな本1冊も買えない…。ストレスで気が滅入ってしまうほどでした。きっと、皆さんの中にもそんな人はたくさんいるはず!
しかし、今では 海外からでも日本のAmazonのサービスを使ってKindle本を購入・ダウンロードできる という情報を知ってから、読書ライフが一気に変わりました。
私はクレジットカードが嫌いで、現金や電子ウォレット、デビットカードで生活しています。この記事では、そんな私が実際に試してうまくいった「海外からAmazonを通じて日本の電子書籍を購入するやり方」を紹介します。
VPNとAmazonの設定を一度確認したら、あとはKindleストアから好きな本を買うだけ!結構簡単ですよ。
日本の本を外国で読みたい海外在住者必見。Amazonのサービスから書籍を購入する方法
なぜAmazonでは海外から日本のKindle本を購入できないのか?
Amazonで基本的に海外からKindle本を購入できない理由としては以下が挙げられます:
出版社契約による販売地域制限(日本国内でしか販売できない)
著作権と流通権の問題(国ごとに権利が異なる)
Amazonの住所・カード・IPによる地域判定
つまり「技術的に買えない」のではなく、法律・契約・システム上の制限なんです。
出版契約の地域制限(リージョン制御)を詳しく解説
1. 地域ごとに異なる出版契約
電子書籍は「世界共通で販売されている」と思われがちですが、実際には国ごとに出版社や権利者とAmazonが契約を結んでいるため、配信できる範囲が制限されています。
- 日本の出版社は「日本国内の読者向け」にAmazon Japanと契約
- 海外の出版社は「自国の読者向け」にそれぞれ契約
👉 そのため、日本のAmazonで配信されている作品が、フィリピンやアメリカからアクセスすると「購入できません」と表示されることがあります。
2. 著作権の「配信権」の問題
紙の本と違い、電子書籍はデータなので、配信権の範囲が非常に厳格です。
- 出版社は「この本は日本国内だけで配信してOK」と契約する場合が多い
- 海外での販売権は別の会社が持っていることもある
👉 たとえば同じマンガでも、日本版はAmazon.co.jp、英語版はアメリカの出版社が販売するなど。
3. Amazonのリージョン制御の仕組み
Amazonはユーザーの居住地とアクセス元のIPアドレスを使って、購入可否を判断します。
- アカウントの「国/地域設定」が日本以外になっている
- IPアドレスが海外のものと判定されている
この場合、日本専用の電子書籍は購入できなくなる仕組みです。
4. だからVPNが必要になる
VPNを使うことで、日本国内のIPアドレスを経由してAmazonにアクセスできるため、システム上「日本からアクセスしている」と認識されます。
これに加えて、アカウントの国設定を日本にして、決済方法も日本対応にすることで、日本のKindleストアから購入できるようになります。
日本の書籍の購入を可能にする必要なポイント3点
これを回避するために必要なのが以下の3つ:
- VPNを利用して日本のIPにする
- アカウント住所を日本に設定する
- 日本円決済が可能なカード(Wiseなど)を使う
👉 要するに「自分は日本国内からアクセスしていますよ」とAmazonに示すことが大事なんですね。
海外から日本の本を読むためになぜVPNやWiseが必要か
- VPN → 出版社やAmazonの制限を回避するために必須
- Wise → 海外発行カードや電子ウォレットが通らない場合でも、日本円で決済できるから安心
つまり、「IPを日本に見せる」「決済を日本円にする」この2つが揃えば、海外からでも日本のKindle本がスムーズに購入できるのです。
日本の電子書籍をKindleで海外から購入するための手順
海外在住者が日本のAmazonでKindle本を購入する場合、いくつかの準備が必要です。以下の流れで整えれば、海外からでもスムーズに日本語の電子書籍を楽しめます。
STEP1. Kindle端末を購入またはアプリをダウンロード
私が使っているのは 32GBのKindle Paperwhite。
目に優しく、防水加工があるのでお風呂やビーチでも安心して読めます。
- フィリピンなど海外で買ったKindleでも問題ありません(日本から輸入する必要はなし)。
- スマホやPCの場合は Kindleアプリ(Android/iOS)をダウンロードすればOKです。
STEP2. VPNを準備する
海外から日本のAmazonにアクセスしてKindle本を購入するには、VPNがほぼ必須です。
私が使用しているのは ExpressVPN。安定していて、日本サーバー経由でKindle本の購入もスムーズにできます。
無料VPNがダメな理由
- セキュリティが弱い(暗号化不足・マルウェアの危険)
- 利用者データが売られるケースもある
- サーバーが遅くて不安定、制限解除も不可
👉 「安全性なし・プライバシーなし・快適さなし」の三重苦になりやすいので、有料VPN必須です。
無料VPNと有料VPNの違い(比較表)
項目 | 無料VPN | 有料VPN |
---|---|---|
料金 | 0円(無料) | 月500〜1,500円程度 |
セキュリティ | 暗号化が弱い、マルウェアのリスクあり | AES-256など強力な暗号化 |
プライバシー | データ販売の恐れ | ノーログポリシーで履歴を残さない |
通信速度 | 遅く切断も多い | 高速・安定 |
接続可能国 | 数カ国のみ | 60〜90カ国以上 |
地域制限解除 | ほぼ不可能 | 日本のAmazon・Netflixなども可 |
サポート | 基本なし | 24時間対応 |
向いている人 | セキュリティを気にしないライトユーザー | 海外から安全・快適に利用したい人 |
STEP3. Amazonアカウントを日本用に設定する
VPNをオンにしたら、Amazon.co.jpのアカウントを「日本」に切り替えます。
- 言語を日本語に変更
- 通貨を日本円に変更
- 支払い方法を設定(おすすめはWiseのデビットカード)
- [アカウントサービス] → [お客様のお支払い方法] → [設定] → [現在の設定] から登録
- 請求先住所を日本の住所に変更(実家などでOK)
- 国/地域設定を日本に変更
「アカウントサービス」→「アカウント設定」の中にある「言語設定の変更」から開けます。

「アカウントサービス」→「アカウント設定」の中にある
「お客様のお支払い方法」から開けます。


住所を日本の住所に変えます。
Wiseのカード番号などの情報を入れて保存しましょう。
さらに「コンテンツと端末の管理」にアクセスします。
- ブラウザからアクセス(アプリ経由では不可)
- 「コンテンツ」「端末」「設定」のタブで、購入や端末登録を管理できます

アカウントサービス→「設定」タブ→「Kindleの支払い設定を管理」からでも「コンテンツと端末の管理」は開けます。

STEP4. Kindle端末・アプリでログインして購入準備完了
最後に、Kindle端末またはアプリにAmazonアカウントでログインします。
VPNをオンにしてブラウザから購入すれば、Wi-Fi接続したKindle端末に本が自動で同期されます。
購入時の注意点
- アプリから直接は購入不可
→ Apple/Googleの規約変更により、現在はブラウザ経由での購入が必須。 - Kindle本体からの直接購入は非推奨
→ VPNが使えないため、必ず「ブラウザ+VPN経由」で購入してください。
- Kindle端末またはアプリを用意
- VPNを契約して日本サーバーに接続
- Amazonアカウントの国設定を「日本」に変更
- 支払い方法にWiseカードや日本のカードを登録
- 請求先住所を日本住所に変更
- 「コンテンツと端末の管理」で地域設定を確認
- ブラウザからAmazon.co.jpにログインして購入テスト
👉 この手順を整えておけば、海外からでも日本語の電子書籍を問題なく購入できます。
アマゾンで「アクセス制限されました」と出た場合の対処法
原因は海外にいるのがバレるアカウント設定になっているから
- IPアドレスが海外
- 決済カードが日本以外
- アカウント住所が日本以外
Amazonでかかってしまったロックを解除する方法
- Amazonのサイトからアカウントにログイン
- 「コンテンツと端末の管理」 → 「設定」タブ
- 「国/地域設定」を「日本」で選択
- 日本の住所を入力(郵便番号も必須)
- 支払い方法を日本対応に設定(WiseカードOK)
フィリピンの決済手段がアマゾンで使えない!私が直面した問題と解決法
GCashやMayaが使えない理由
GCashやMayaなどの電子ウォレットはプリペイド式・国内利用特化のため、日本円決済や国際EC決済では承認されません。
また、フィリピン銀行のデビットカードも国際オンライン決済が制限されている場合が多く、Amazon.co.jpではエラーになることがほとんどです。
Wise(ワイズ)とは?
Wise(旧名:TransferWise)は、海外送金やマルチ通貨決済に対応したオンライン金融サービスです。
- 世界のさまざまな通貨で口座を持てる
- 日本円・米ドル・ユーロ・フィリピンペソなどをまとめて管理可能
- デビットカード(Wiseカード)を発行して、オンラインや実店舗で利用できる
- 為替レートが透明で、手数料が安い
👉 特に海外在住者にとって便利なのが 日本円口座を持てること。
この口座とWiseカードをAmazon.co.jpに登録すれば、日本のクレジットカードがなくても日本のKindle本を購入できるのが大きなメリットです。
- Wise口座に日本円をチャージ
- デビットカードをAmazonの支払い方法に登録
- 日本の住所にすればスムーズに決済可能
👉 手数料も少なく、フィリピン在住者にとって最も実用的な方法です。
フィリピン発行クレジットカードの場合
- Visa / Mastercard / AmEx / JCB なら利用可能なことが多い
- ただし以下に注意:
- 国際オンライン決済の制限を解除する必要あり
- 3Dセキュア(ワンタイムパスワード)対応が必須
- 為替手数料が発生する
👉 手数料や対応性を考えると、Wiseデビットカードが一番スムーズです。
Wiseを使っているのに「G-Xchange Bank」と表示される理由
Amazonの支払い方法で「G-Xchange Bank」と表示されても心配はいりません。

G-Xchange Bankとは?
G-Xchange Bank は、フィリピンの大手電子マネーサービス GCash を運営する会社(G-Xchange, Inc.)に関連する決済処理名です。
Wise(ワイズ)のデビットカードをAmazonなどで使ったときに、カード発行銀行名の欄に「G-Xchange Bank」と表示されることがあります。
なぜWiseなのに「G-Xchange」と出るのか?
- Wiseは自分名義の銀行口座を各国に直接持っているわけではありません。
- 決済を処理する際、各国の提携銀行や決済代行会社を経由しています。
- フィリピンの場合、その提携先が G-Xchange(GCashの関連会社) になるため、Amazon上で「G-Xchange Bank」と表示されるのです。
よくある質問(FAQ)
Q1. VPNなしでもKindle本を買えますか?
一部の本は買えますが、出版社が「日本国内のみ販売」としている書籍は購入不可。VPNがあると安心です。
Q2. 海外のAmazon(.comや.au)から日本の本は買えますか?
いいえ。日本の電子書籍はAmazon.co.jp限定です。必ずアカウントを「日本」にしてください。
Q3. 無料VPNでも大丈夫?
セキュリティや速度の問題からおすすめできません。実用的に使えるのは有料VPNです。
Q4. 日本語の電子書籍は海外でも読めますか?
はい、購入済みの本ならVPN不要で読めます。アプリやKindle端末で問題なく利用可能です。
Kindle Unlimitedは海外から利用できる?
結論から言うと、海外からでもKindle Unlimitedが利用可能です。
ただし登録時には、日本の住所と日本円での決済方法(Wiseや日本のカード)が必要です。
一度やってしまえば、VPNなしでもライブラリから本をダウンロードして読めます。
海外在住者にとって、日本語書籍をまとめて楽しめる心強いサービスです。
まとめ
- 海外からでも日本のKindle本は購入・読書可能
- VPNは購入時に必要、読書時は不要
- Wiseデビットカードが決済の最適解(GCashやMayaは使えない)
- Amazonアカウントは必ず「日本」に設定すること
- Kindle Unlimitedも海外から利用可能
私自身、フィリピンでGCashやMayaが使えずに困っていましたが、WiseデビットカードとVPNを導入してからは、日本にいた頃と同じように毎日日本の本を楽しめるようになりました。
日本のAmazonサービスは、VPNとアカウント設定を組み合わせることで、海外在住でも十分に活用できます。
「日本の本を海外で買うのは難しい」と思っていた方も、適切な方法を知れば簡単にKindle本を購入し、安心して読むことができます。
同じように海外在住で日本語の本が恋しい方は、ぜひ試してみてください。